三・五章 あなたは生き残りのドラゴンの息子に嘘をついた
第44話 あなたは、嘘をついています
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見ていることなんてできません」
シドウは後ろを振り向いた。
「母さん。俺、ずっと言いつけを守ってきて、まだ人間とまともに戦ったことはありませんでしたが。今日初めて戦います」
「いや、それは」
「だめだと言われても戦います。親不孝な息子でごめんなさい。そこで見ていてください」
母親デュラはそれ以上言ってこなかった。否、その前にシドウの首は元の方向に戻っていた。
後でいくらでも怒られてやる――シドウの中で、その覚悟ができた。
「ティアも離れてて」
そう指示すると、ティアは先ほどまでの位置ではなく、デュラのほうへ向かって離れていった。
ゆっくり挨拶しているときではない。ティアは小さく頭を下げただけで、シドウの母親の横に位置した。
もともとどんな挨拶するつもりだったのかは、シドウの知るところではない。だが
彼女の構想が崩壊したのは確かだ。
「アランさん。俺、もしも途中で偶然アランさんに会うことがあれば、一緒に来てくださいとお願いをするつもりでした。これから俺らはグレブド・ヘルに行くつもりですが、アランさんがいてくれれば心強いなとずっと思っていました。
だから、もしも俺が勝ったら……」
シドウは一つ、頭を下げた。
「母を許してくれとは言いません。ですが復讐はあきらめてください。そして俺らと一緒に来てほしいです」
「無理ですね。何度も申し上げていますが、あなたは私に触れることすら不可能だからです」
「……。では行きます――」
アランが構えると同時に、シドウは一直線に突入した。
少しでも大きな魔法を使う時間を与えないほうがよいという判断だ。
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