第五十九話 新世界からの手紙
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わ。それに男の子というのは少しくらいエッチじゃないと……」
以外や以外、カトレアは性にオープンだった。
もっとも、カトレア自身夫以外に肌を晒す積りはないが……
「ちょ! いきなり何を仰るのですか!」
「流石、カトレア様、話が分かる」
「ここは、わたしに免じて……ね?」
「む……カトレア様がそう仰るのでしたら」
「ありがとうございます〜、カトレア様〜」
歯が欠け、ボロボロのジュルジュがカトレアに土下座をした。
「カトレア様。私は甘いを思いますがね。今許しても、何時かまた『やらかし』ますよ?」
「大丈夫よ……そうよね? ミスタ・グラモン?」
「はい! ……はい! やっぱり、カトレア様は女神様や……」
ジョルジュは、カトレアの手を掴んで涙を流した。
「みんな聞いてくれ! これから僕は一人の女性しか愛さない事を誓うよ!」
『オオォーッ!』
恒例の行事を見物していた生徒達は、ジョルジュの宣言に概ね好意的だった。
……次の日、ジョルジュは昨日の事は忘れたかのように、他の女の子にちょっかいを出していた為、学年の女子総出で報復を受けたのは別の話。
☆ ☆ ☆
カトレアの学生生活は充実の一言だった。
欲を言えば、隣に愛する夫が居ない事が唯一の不満だったが、愛する夫は今、国の為、未来の為の大事業の取り掛かっている。カトレア一人我がままをいう訳にも行かない。夫に合えぬ悲しみを微笑みの下に隠して学友達と語らった。
「おはようございます、カトレア様」
「カトレア様、見目麗しゅう……」
「皆さん、おはようございます」
人徳のお陰か、カトレアの行く先々ではいつも取り巻きが出来た。
皆でワイワイおしゃべりをしながら教室へ行く。
カトレアは学院での成績も座学が常にトップで、魔法も多少は制御に難があるが概ね好成績だった。
また、平民にも気兼ねなく声を掛け、コック長のマルトーという男は最初は警戒していたが今では態度を軟化させ、カトレアの料理の訓練の為に厨房を貸したりしていた。
何もかもが順風満帆のカトレア。
ある日、自室にて刺繍に挑戦していると、メイドコンビの一人のフランカから、ヴァールダムにベルギカ号が帰港したと知らせが入った。
「まさか、マクシミリアンさまが乗っておられるのかしら?」
「残念ながら、王太子殿下は乗っておられないそうです」
「そう……」
カトレアの顔がパッと華やいだかと思ったら、その表情はみるみるうちに陰った。
「ですが、手紙を預かっております」
「本当!?」
再び
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