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銀河帝国革命
コミューン崩壊と革命の失敗
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されたし。」





「降伏だと?ふざけるな!」

「我々はまだ戦える!」

「この際華々しく散って帝国主義者どもに我らの意地を見せてやろうではないか!」

「その通りだ!」

帝国軍の降伏勧告に対し、公安委員会は対応を協議したが、断固拒否の意見が多数であった。しかしいつもなら会議を主導するハンソンが、今回は口をつぐんでいた。

「同志委員長はどのような意見で?」

いつもと様子の違うハンソンが気になった委員の一人が、ハンソンに意見を聞いた。ハンソンは神妙な顔をしながら立ち上がり、口を開いた。

「同志諸君、我らがコミューンを守る戦いを始めて間もなく1か月になる。帝国の大軍相手によくぞここまで戦い抜いてくれた。しかし残念ながら、我らの力もここまでだ。既に勝敗は決した。これ以上の犠牲は無駄死にである。よって、このカール・ハンソンは、断腸の思いで次の事を決定した。」

ハンソンはそう言うと、深呼吸をして話を続けた。

「我らは明日、降伏する。」

委員たちはざわついた。

「同志!?」

「本当に降伏するのですか!?」

委員の一人が泣きながらハンソンに縋り付いて言った。

「我々はまだまだ戦えます!なんで・・・帝国の狗どもなんかに降伏しなきゃならないんですか!?」

「同志ハンソン!最後まで戦いましょう!」

委員たちは立ち上がりハンソンに迫った。

「同志達……お前らなぁんか勘違いしとりゃせんか? あ?」

ハンソンが怒気を発しながら話を始めると委員たちは黙った。

「ワシらの死に場所を作るの為にコミューンはあるんじゃねぇ。人民の真の幸福の為にコミューンはあるんだ。ワシらの勝ち目は最早なくなった。なら後は如何にして人民を救えるかを考えるべきだろうが。」

ハンソンは怒気を潜め、笑いながら続けた。

「それにな同志諸君、死のうと思えばいつでも死ねる。だから今は降伏と洒落込もうではないか!がっはっはっは!!!」

7月17日、結局ハンソンの宣言通り公安委員会は降伏勧告の受諾を決定、帝国軍に降伏の旨を通達し翌18日、ハンソン自ら帝国軍の前に出頭しラグラン鉱山は開城。鉱山内にいたコミューン軍民兵約5000名が降伏し、その日のうちに武装解除も完了した。

これにより、帝国暦485年/宇宙暦794年1月6日より始まったロンドリーナ・コミューン革命は、失敗に終わったのであった。
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