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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン26 復讐の最終方程式
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たか。彼女はただ、達観したような小さな笑みを浮かべるだけだった。

「クノスぺでファイナルシグマに攻撃、必殺クノスペシャル!」

 再び振るわれた炎の拳は、先ほどのそれよりもほんの少しだけ早く、強かった。それを剣の腹で受け止めようとした爆炎の刃もその勢いを減じさせることすらほとんどできないまま、激突の衝撃で刀身に細かなひびが一斉に走る。次の瞬間には粉々になった刃を突き抜けて、小さな英雄の拳がファイナルシグマのどてっぱらに大穴を開けて着地した。

 E・HERO クノスぺ 攻3250→炎斬機ファイナルシグマ 攻3000(破壊)
 蛇ノ目 LP250→0





「……八卦ちゃん」

 最初に糸巻が声を掛けたのは声すら上げずにその場に倒れ込んだ蛇ノ目ではなく、ぼんやりとした様子で佇む勝者の少女だった。

「八卦ちゃん!」

 お姉様、そして親友の言葉にようやく気が付いたのか、ゆっくりと2人の方へと振り返る。ただそれだけの動作でも先ほどまではアドレナリンがどこかに追いやっていた疲労や痛みが、今更のように少女の全身にのしかかる。それでも、こちらに笑顔を向ける2人の表情はよく見えた。
 小さく手を振り、何を言おうかと少し迷ったのち、結局口から出てきたのはシンプルで飾らない、最初に頭に浮かんだ通りの言葉だった。

「……えへへ。やりましたよ、私」
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