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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
それからあたしは、暴かれる
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そうですか。そのような感情を。」

あたしに聞こえないくらいの小さな声で、紫式部はそっと呟く。

「ここはあなた様のさあばんととして、心の内をありのままにするまで…。」


?


「はぁ…。」

脱衣カゴにスーツを投げ込み、とりあえず大きく深呼吸をしてみる。

「なんか…大変なことになっちゃったな。」

どこか息苦しいスーツを脱ぎ捨てて生まれたままの姿になると、今まであったことが頭の中で再生される。
あんまりにも突然で、あんまりにも現実離れした出来事。
この世界はどうなったのか。
そして、あたし自身はこうなってしまった先で生きることは出来るのか。
あの時は生きたいと必死に願った。
でも、それから先の事はまるで考えてなかった。
後先考えずに突っ走る。あたしの悪いクセだ。

まぁいいや、
ともかくともして今は熱いシャワーを浴びよう。

窮屈なシャワールームに入り、ハンドルをひねる。
最初は冷たい水が出たがじきにお湯になった。
温度調節をして熱めのシャワーにし、髪をかきあげてその熱さを身体全体で感じる。

「…。」

紫式部…。
突然あたしの前に現れた、サーヴァント…。
ゲームからやってきて、自分をマスターとして従うと言っていたが、アレは本当なのだろうか。
いや、正直嬉しい。
あんな人があたしのところに来てくれたんだ。
だけど、これから先彼女とうまくやっていける自信がない。
人付き合いが苦手とか、そんなんじゃない。
ただあたしはああいった人を見るとどうしても…

「"胸の内が高鳴る"…ですか?」

「え…?」

声が聞こえ、ハッとなって振り向く。
いつの間にかドアが開いていて、そこには紫式部が笑顔で立っていた。
しかも、

「な、なんてカッコして…!?」

一糸纏わぬ姿、
裸でだ。

「なんて格好とは、当たり前ではありませんか。湯浴みに衣類は必要ありませんから。」
「い、いや…!!そういう問題じゃなくて…!」

待ってほしい。
目のやり場に困る。
それにこのシャワールームは一人用だ。
二人入ればそれはそこそこ窮屈だし、どうしても身体同士が触れ合う。

「どうかしましたか葵様。随分と目を泳がせているように見えますが?」
「い、いや…あの…その、」

その時、

「…見たい、ですか?」
「…!!」

紫式部がずいと近寄ってくる。
手首をつかまれ、壁に追い込まれるあたし。
さながら、はりつけにされたみたいだ。

「ね、ねぇあの…紫式部さん?」
「気付いておりましたよ。葵様。」

あたしの事は気にせず、彼女は話を始める。

「私を見るそのいやらしい視線。一定の距離を保ち、近づきすぎないようにしているその態度。そ
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