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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
それからあたしは、暴かれる
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たしに合わせて歩き出した。
紫式部に痛むことを悟られないようにあたしも出来るだけ普通に歩いていく。
けど、
あたしは気付かなかった。
こうして自分の内から込み上げる劣情、それと葛藤していることが、彼女には筒抜けだということに。
?
電気のついている建物はいわゆるネットカフェというものだった。
区切られた狭い個室で、インターネットしたり漫画を読んだり、もしくは寝泊まりするところとは聞いていたけど、
「こんなところじゃ落ち着いて寝られないだろうな…。」
質素な作りのそこは到底落ち着けるような場所ではないと思った。
薄い壁で仕切られただけだしきっと音も丸聞こえなのだろう。
幸い利用者も、店員なども誰もいない。
店の中は荒らされた形跡もなく、とりあえずあたしは一番広い個室で腰を下ろした。
「…。」
治療はしてもらったが、まだ痛みはある。
それよりもまず、ここからどうするかだ。
「これから…どうしようか…。」
世界は突然崩壊した。
まるであたしのささやかな願いを叶えたかのように。
けどこんなこと望んじゃいない。
前代未聞のこの状況で、あたしはどうすればいいんだ。
「とりあえず、お風呂に入りましょう。」
「へ?」
そうやって悩んでいたら、紫式部が急に間の抜けたことを言い出した。
「い、いやあの…今どういう状況か分かって」
「だからこそです葵様。どうやら先程からだいぶ焦っておられる様子。今は考えに余裕を持つために、"りらっくす"するというのも良いのではないでしょうか?」
…。
たしかに、そうなのかもしれない。
ぶっちゃけこの状況に頭がまだ完全に追い付いていない。
世界がおかしくなったことも、あんな化け物が闊歩しているのも、
そして、あたしのサーヴァントだという紫式部のこともだ。
「うん…紫式部さんの言う通りかもしんない。」
「"さん"付けはおやめください。今や私はあなた様のさあばんと…気兼ねなく、"香子"と呼んでくださいませんか?」
「…か、考えとくよ…か、かお…"キャスター"。」
一瞬いいかけたが、呼び直した。
例えその人がゲームの登場人物だとしてもあの紫式部を呼び捨てに、果ては本名(諸説アリ)で呼ぶなんてとんでもない。
ここはそれらしく"キャスター"と呼んだ方が無難だろう。
すると紫式部はややむくれたような表情を見せた。
少し機嫌を損ねてしまった。
これから仲良くやっていかなきゃいけないのに。
「じゃ、じゃああたし、シャワー浴びてくるから…。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
平静を装って足の痛みに耐えながら、あたしは歩いていった。
「…。」
その背中を、ずっと見つめている紫式部。
「ええ、
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