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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
それからあたしは、暴かれる
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紫式部。
「わざわざ敬語でなくとも、よろしいのですよ。何せ私はあなた様のさあばんと、なのですから…。」
「サー…ヴァント…?」
サーヴァント、という用語は知っている。
fateのシリーズはよく知らないが、友人に勧められてFGOはやっていたんだ。
そして、そのFGOにてあたしが一番大事にしていたサーヴァントが一人存在する。
それこそが
「まさか…ゲームから出てきたっていうの?」
「お話が早くて助かります。ええ、その通りです。」
紫式部。
そして彼女はその紫式部御本人なのだという。
「あなたからもらった数え切れないほどの愛。それを今返さなくてはいつ返すのか、そう思うといてもたってもいられませんでした。」
「それで、やってきたと。」
彼女は頷く。
「世界がこうなった直後、
ゲーム
(
あちら
)
と
現実
(
こちら
)
の境界が曖昧になり、こうして通ることが可能となったのです。本来ならばそれは有り得ないことなのですが…。」
「なぜか、できるようになった…。」
「はい…。」
世界がこんなことになったこととやはり何か関係があるのだろうか。
しかしあたしはそこから推理できるほど頭は良くないしそもそもあたしの役目ではないだろう。
それよりもまず、
「いっ…。」
もしかしたらさっきみたいな化け物がいるかもしれない。
それにこれから夜だ。
どこか安全に休める場所を探さなければ…。
「葵様?」
「いや、どこか休めるところをさ…。」
それにこの脚だ。
紫式部が毒を抜いてくれたとはいえ、痛むものは痛む。
「でしたら…。」
脚をひきずってさぁこれからどこへいこうかと思った先、紫式部がある場所を指差した。
「あそこはいかがでしょうか?」
「あそこって…。」
街の明かりが消えた今、遠くの方で看板に光が灯っているのが見えた。
どうやらその建物はまだ生きているらしい。
「…葵様。」
「…な、なに?」
手を差し出される。
「だいぶ辛そうに見えます。せめて手を。」
「…。」
細い指。
傷一つない、綺麗な手。
それが今、あたしの前に差し出されている。
手を繋ぐ。
別にそれはなんてことない事かもしれない。
でもあたしは
「ううん、いいよ。あそこまでなら歩ける。」
「ですが…!」
「いいから!!」
彼女の好意をダメにしてしまったのは本当によくない。
手を繋ぐくらいいいじゃないか。別に異性ではないのだから。
と、一般的にはそう思うだろう。
でもダメなんだ。
同性だからこそ…あたしはダメなんだ。
「…そう、ですか。」
好意を突っぱねてしまったが、紫式部はどこか納得したような表情でゆっくり頷くと、あ
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