暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百五十三話 不戦勝その三

[8]前話 [2]次話
「かなり難しいけれどな」
「果たされますか」
「絶対にな」
「そうですか、そこまでの志をお持ちなら」
「俺達とか」
「我々も現状を憂いていました」
 騎士団長は久志に率直な口調で答えた。
「世界の」
「魔神に石にされて海に覆われていてな」
「どうにかしたいと考えていましたが」 
 それでもというのだ。
「残念ですが」
「その力がないってか」
「はい、そうでしたので」
 それ故にというのだ。
「今まで歯噛みしていましたが」
「俺達ならか」
「それを果たしてくれます」 
 自分達の願い、それをというのだ。
「魔神を倒しこの世界を救う。それならば」
「俺達にか」
「及ばずながら」
 降りその下で戦うというのだ。
「そうさせて頂きます」
「それじゃあな」
「それに民に危害は加えられませんでしたね」
「俺達はそういうの嫌いだしな」
 久志は騎士団長にこのことについても答えた。
「だからな」
「それ故に」
「ああ、一般市民をまず安全な場所に逃がす様にな」
「言われましたね」
「本当に戦で傷付いて死んだりってのは戦う奴等だけで十分なんだよ」
 久志はこのことは真剣な顔で述べた。
「だからな」
「まずはでしたか」
「市民を避難させる様に言ったんだよ」
「市民ごと攻めずに」
「ああ、そうしたんだよ」
「そうですか、ですがそのこともです」
 騎士団長は述べた。
「素晴らしいと思いました」
「当然だろ」
 久志の今の返事は何でもないというものだった。
「それは」
「市民を戦に巻き込まないことは」
「ああ、それはな」
 最早という口調での返事だった。
「もうな」
「そう言われてもです」
「違う奴もいるんだな」
「市民のいる場所を攻めたり盾にする」
「そんな奴は確かにいるな」
「そうした輩とは違うことを当然と言われる」
 騎士団長はこのことについても言うのだった。
「そのこともです」
「凄いのかよ」
「はい」
 まさにというのだ。
「この浮島ではそうしたことをする領主達もいたので」
「だから俺達はな」
 久志は騎士団長に強い声で返した。
「そうしたことはな」
「されないですか」
「考えの外なんだよ」
 まさにという返事だった。
「それこそな」
「そう言われて実行されているこそがです」 
 まさにというのだ。
「素晴らしいことなので」
「俺達に降るんだな」
「民を護り大事にされるなら」 
 それならばともだ、騎士団長は話した。
「その目的の大きさと共に」
「素晴らしいことだからか」
「左様です、それで」
「これからはか」
「皆様の下で」
 こう言ってであった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ