生きている理由
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うとするティオス。それに対しシリルもまた、同じように足場を作っていた。
「前はそうだったのかもしれないな。だが、そんなものじゃどうにもならないんだよ」
明らかに今までの少年とは違う雰囲気に思わず笑ってしまうティオス。それを見たシリルは眉間にシワを寄せる。
「どうした?ずいぶんと楽しそうだな?」
「いや・・・もう楽しみすぎてな」
ティオスが笑ってしまったのは彼の変化があまりにも大きかったからではない。思わぬ進化を続ける彼に対して、楽しみな気持ちが強くなっているからだ。
「俺はお前ら全員を殺し、神になるための準備をして来た。そのためのプランも組み、その通りになるように調整しながらここまでやってきた。多少の誤差はあったがな」
自身が知る限りの歴史に近づけながら、この戦争が自らの思惑に沿うように進めてきたティオス。かなりのプラン変更も行わざるを得ない状況にもなったが、それでも元々のプランに近づけながらここまで来た。
「だが、今のお前を見たらそんなものはどうでもよくなった」
シリルがここにいる時点で大きな誤算ではあるが、そんなことどうでもよくなってしまっていた。それ以上の楽しみが、ここにあるのだから。
「最終的に俺が勝てば全てが丸く納まる。その後のことは、後回しにしよう」
目元の汗を拭うティオス。その瞳は水色に光り輝いていた。
「ここからは本気で行かせてもらう」
「ナツ!!」
荒れ果ててしまったマグノリアの街。その場所に飛んできた巨大な飛行船から降りた緋色の髪の女性は、建物の中に入ると座り込んでいる桜髪の青年に駆け寄る。
「エルザ・・・」
青年と少女の前に座り込んでいるナツはエルザにゆっくりと顔を向ける。彼女の後ろからは、続々とこの場に人が流れ込んできた。
「こっちはもう終わった」
「そうか・・・」
傷だらけの彼を見ればわかる。全く目覚める気配のないゼレフのケガを見れば、なおさらだ。
「ナツ!!」
さらに遅れてやってきたのはルーシィを抱えたグレイだった。
「おい!!どうしたんだルーシィ!!」
完全に意識を失っている様子のルーシィに駆け寄るラクサス。他の者たちも、皆彼女の方に目を向ける。
「気を失ってるだけだ」
シリルから魔力を持っていかれてしまったために一時的な魔力欠乏症に陥っているものの、特にケガなどの大きなダメージはないルーシィ。
無事であることを聞いた面々は、安堵の表情を浮かべた。
「ナツ、こっちにシリルは来なかったか?」
「来たよ。でも、どっかに行っちまった」
エルザの問いに淡々と答える
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