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夢幻水滸伝
第百三十三話 高度を下げてその五
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「そうしてな」
「敵に向かうか」
「そうしよな」
 是非にというのだった。
「ここは」
「わかった、ほなな」
 施は羅の言葉に頷いた、そしてだった。
 中国軍は移動要塞を海面近くの高度まで下げて周りに水軍の艦隊を置いて彼等に護衛させる形で前に進んだ。
 残は海面を見てそこで蒲に言った。
「おいらもこれはな」
「日本の考えがか」
「わからんわ」
 こう言うのだった。
「何で海面すれすれにまで下がった」
「それでも同じやな」
「そや、戦う条件は変わらんやろ」
「あれか。空中から落ちるよりも」
 蒲は考える顔になって残に答えた。
「海面すれすれから落ちた方がな」
「助けやすいか」
「兵をな、空中から落ちたら」 
 それこそというのだ。
「魂を復活させるしかない」
「それでも助かるのがこの世界やが」
「それでも海面やと救助したら」 
 それでというのだ。
「すぐに戦場に戻せる」
「復活の術は高度な術で使える術者も限られてるしな」
 このことがネックなのだ、やはり高度な術は使用出来る者はかなりの力量であるのだ。特に死者を復活させる術は極めて高度な術なのだ。
「それでな」
「ここは、やな」
「そうしたんちゃうか、しかしな」
「数はこっちのもんや」
「どう工夫しても十倍の兵は覆せん」
 この差はというのだ。
「ほんまに」
「悪あがきにしかならんと思うが」
「日本は悪あがきをする連中やないぞ」
 曹がこう言ってきた。
「勝つ為に何かしてきても」
「そうや、そやからおらっちも気になってる」
 残は今も海面を見ている、海面には時折海豚等が見える。そして今マンタが空に飛び上がったのも見えた。
 水飛沫をあげて日光に照らされ輝くそのエイを仲間達と共に見つつだった、残は蒲と曹に対して話した。
「どうもな」
「まあ数に持ち込んだら」
 その戦にとだ、蒲は言った。
「勝てるにしても」
「用心せなあかん相手やのは確かや」
 曹も油断していなかった、決して。
「ほんまに」
「そこはな、しかしな」
 残はまた言った。
「ここでどうして高度を下げたか」
「それがやな」
「ほんまわからん」
 残はこう言って首も傾げさせた。
「連中の考えが」
「それは誰でもやな、ほなこっちもな」
「高度下げるか」
「それか」
 曹はその表情を鋭くさせて述べた。
「敵の頭上取って」
「そうしてやな」
「上から襲い掛かる」
「戦闘機のドッグファイトみたいにか」
 残は自分達が起きた世界の戦いのことも思い出して話した。
「そうするか」
「それもあるやろ、やっぱり上を取ったらな」
 その時はというのだ。
「空中戦は強い」
「それでやな」
「そや、頭上を取ってな」
 そしてというのだ
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