第二十話 保養施設
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ふ、そういうことにしてあげる」
微笑むプレリーにエールは悔しげに膨れる。
見た目は同じくらいでも生きてきた年月の長さが違う。
「…エールはジルウェさんが好きなのね」
「え!?あ、いや…アタシは…」
「隠さなくて良いのよ…好きな人が身近にいてくれるのはとても幸せなことよ。いつか気持ちを伝えられると良いわね……後悔だけはしないで」
プレリーの表情はエールをからかうようなものではなく、心から応援しているものだった。
「……ありがと…あのさ、聞いていいプレリー?」
「何かしら?」
「プレリーってさ、いつもヴァンのこと見てるけど…もしかしてヴァンのこと好きなの?」
「え?」
驚くプレリーにエールは他の可能性も尋ねる。
「それとも、今のヴァンが好きだった人に似てる…とか?最初はジルウェに気があるのかなって思ってたんだけど、ヴァンが仲間になってから、プレリー…ずっとヴァンのこと目で追ってたじゃない?懐かしそうに…大切な人の面影を見てるような…」
二人をプレリーはどこか懐かしそうに、そして寂しそうに見つめていたのをエールは覚えている。
「…ジルウェさんとヴァンは……お兄ちゃんに似てるの」
隠すようなことでもないため、プレリーは二人を見ていた理由を話した。
「え?プレリーのお兄さんに?」
「ええ、モデルZのオリジナルになった人で見た目がジルウェさん…特にヴァンにそっくりなの」
古い写真を取り出してエールに見せると、初代司令官らしい少女とプレリーの面影がある少女、そして二人の隣に立つ真紅のアーマーと腰にまで伸びる金髪が特徴の男性型レプリロイド。
「うわあ、本当にアーマーとかヴァンそっくり…でもプレリーのお兄さん…とても綺麗だね。お姉さんも可愛い人だし」
ヴァンも顔立ちは整っている方だが、モデルZのオリジナルとなったレプリロイドは中性的な顔立ちをしており、芸術と言っても過言ではないくらいに整っていた。
「ありがとう、お兄ちゃんはとても無口な人だったけど優しい人だった。幼かった私がお姉ちゃんから貰ったぬいぐるみをなくしちゃった時も私と一緒に探してくれた…まあ、デリカシーがないところもあるんだけど。昔…サイバーエルフに名前をつけようとして、お兄ちゃんにも考えてもらおうと思ったんだけど、サイバーエルフを回収する際の敵との戦闘話になっちゃうし、最後は“不気味な奴だったな”の一言だし…」
「さ、流石…モデルZのオリジナルだね…」
幼かったプレリーにそんなことを言ってのけたモデルZのオリジナルに顔を引き攣らせるエールを見てプレリーは苦笑した。
「あの時の私はお兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいるだけで幸せだった…人間と機械の戦争が終わったらお兄ちゃんやお
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