第15節「夢の中で逢った、ような……」
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そのまま二人に手を振りながら歩き出した。
「学園祭、楽しんでいってね。じゃあ、また」
「おッ、おい……本当にありがとう。二人とも、元気でね。……流星! どういうことだ! おーい!」
立ち去る流星を追いかけて、飛鳥もその場から離れていく。
二人の手には、無料券の束だけが残されていた。
「…………行っちゃったね」
「す、すごいデスッ! これだけあれば……マップ完成も夢じゃないデスッ!」
「切ちゃん、嬉しそう……」
「そういう調だって、ちょっと笑ってるデスよ」
「わたしは……切ちゃんの笑顔につられたの」
本当は自分だって嬉しいのに、しっかり者であろうとして素直にならない。
そんな調の心境を察しつつ、切歌は笑う。
「そういう事にしておいてあげるデス。じゃあ、せっかくだし……?」
「屋台を回ろうか」
「デェェースッ!」
そして二人は、再び屋台巡りに戻っていった。
「そういや、あの流星って人……どうして調の名前を聞いてきたんデスかね?」
「わからない。でも……初めて会った気がしなかった」
「デス?」
切歌が不思議そうに首を傾げる。
「そう……まるで……」
「流星、どうしてあの子に名前を?」
「あの時、あの子の顔を見た時から思ったんだ」
「何を?」
不思議なことを言う流星に、またいつもの天然か?と飛鳥も首を傾げる。
「あの子……調ちゃんとは、確か……」
調と流星。互いに離れながらも、二人は同じ瞬間にこう呟いていた。
まるで、運命に手繰り寄せられたかのように、一言一句同じ言葉で。
「「夢の中で逢った、ような……」」
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