第十話
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勇者にはサバイバル料理のスキルも必要です。
あと、お鍋とかの調理器具も。
そんなこんなで王都までたどり着きました。
いよいよ王様に報告です。
なにを言われるんだろう、怒られるのかな……。
あの日、旅立って以来の王都のメインストリートは、全く様子も変わらず平和そのもの。
まだ誰も魔界と人間界の壁がなくなったことを知らないみたいです。
通りに面したお店はどこも普通に営業中。
金物屋さんにも立派な鍋が置いてあります。
そうだ、お鍋を買わないと。
「いらっしゃい、なにをお探しで?」
金物屋の店主さんが愛想よく出てきました。
なんとなく踏み込んだ店内には鍋以外にも色々置いてあります。
あ、包丁もいいな。
「その大鍋と包丁をお願いします」
今日は街まで来て本当に良い買い物ができました。
それでは目的も果たしたので、帰りましょう……。
王様に会うんですよね、分かってます。
「分かってますよー」
「勇者様、どしたの?」
「気にしないで、ただの独り言だから」
さて、それじゃあお城へ!王様に会うために!いざ行かん!
くっ、ツッコミが足りない。
「勇者よ、久しいな」
王様は相変わらず威厳たっぷりです。
取り巻きの偉そうな人もいっぱい。
ここであの大失敗を報告したら、何を言われるんだろう。
でもここはゴルガスさんの「俺達はまだ失敗していない」という言葉を胸に、強気の態度で臨みます!
……そうできたらいいな。
「えーと……王様にご報告が……あります」
「よかろう、申せ」
なんて言えばいいんだろう?
グッと拳に力を込めて、なんとか言葉を探しながら切り出しました。
「えーと、つまり……魔界と人間界をつなぐポータルを破壊するつもりが魔王に騙されて、魔界と人間界を隔てる空間断層を消してしまいました」
すると王様は驚いた様子で立ち上がって、言います。
そりゃ驚きますよね。
「なんと、それでは魔界と人間界は地続きになったということではないか!」
理解が早くて助かります。
それを聞いて王様の取り巻きの方々がざわつき始めました。
取り巻きさんたちは口々に声をあげます。
「それでは魔王軍がいずれ全軍で攻めてくるということでは……」
まあそのうちには。
「もうおしまいだ……」
いや、諦めるのはまだ早いと……。
「魔王に騙されたって、それでは勇者は魔王と通じていたということか……!」
そうじゃないってば……。
みんな言いたいこといってるなぁ。
「つきましては王都の守りを固めるとともに、各地に連絡して迎
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