第九話
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すぎるんじゃ……」
「そうか?俺はそうは思わないな」
「そりゃ、ゴルガスさんは強いし……」
「だから言ったろ?俺一人強くたって何もできんさ。だってそうだろ?魔王軍のあの数を。数だけじゃない。俺一人じゃどうにもならない相手だっている」
「それでも私よりずっと強いじゃないですか!」
「たしかに剣で戦うなら、戸希乃《ときの》には負けないな」
「……」
「だから言ったじゃないか。役割分担なんだよ。俺の役割を戸希乃《ときの》がやる必要はない。戸希乃《ときの》は戸希乃《ときの》の役割を、勇者をやるんだ」
私の役割……。
「そんな事言われたって、私じゃ何も……」
「そんなことはないさ。お前はちゃんと仲間を集めてポータルまで行っただろ」
「そんなこと、誰でもできるじゃん……」
「でも他の誰もやらなかったことだぜ」
「そうかも知れないけど……」
その時、私たちの話をずっと静かに聞いていたマリアさんが、私の背中を抱きしめてきました。
「勇者様が突然こんなところに呼ばれて、まだ自信が持てないのはわかります。でも王様がお呼びになったからには、それが誰でも良かった訳ではないはずです。あなたがそれをできると信じたからこそお呼びになったのだと思いますよ」
マリアさん……。
「だから勇者様、あなたはもっとあなた自身のことを、勇者戸希乃《ときの》を信じてみても良いんじゃないでしょうか」
<<つづく>>
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