シリウス星域会戦
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
帝国暦485年/宇宙暦794年6月21日、戦いの始まりは帝国軍がシリウス星域に入った直後、人民革命軍の奇襲攻撃から始まった。
「何事だ!」
「閣下、敵の奇襲です!小惑星帯から敵が出現しました!」
「おのれ叛徒どもめ、ロンドリーナへ向かうにはここを通るしかないことを利用して待ち伏せしておったな!」
シュターデンは歯軋りをしながら反撃を指示した。
「敵が小惑星帯へ後退していきます!」
「小惑星帯まで後退されると厄介だな……直ちに追撃するぞ!」
帝国軍は追撃を図るも、テールマンは巧みに追撃を振り切り、小惑星帯まで後退を完了した。
「所詮民兵の集まりと侮っていたが、叛徒どもにも中々優秀な指揮官がいるようだな。」
「どうされます?いっそ抑えを置いて艦隊をロンドリーナへ向かわせるべきでは?」
参謀長のウォルフガング・ミッターマイヤー大佐がシュターデンにそう問いかけた。
「確かに戦力では我らが圧倒しているし、理論的にもそれが最善だ……しかし、この小惑星帯を割けてロンドリーナへ向かうには時間がかかりすぎる。総司令部からも叛徒どもが『自由惑星同盟を称する叛徒ども』と接触を図ったという情報が入っている。一刻を争う事態なのだ。ここは多少強引でも突破するぞ。全艦、全速前進!」
シュターデンの号令で、帝国軍は小惑星帯へ突入を開始した。
・
・
・
「来やがったな……よしッ!手筈通りだ同志達よ!小惑星の陰から一気に撃ちまくれ!蜂の巣にしろ!」
テールマンが行った戦術は、予め想定した突入ポイントに向けて戦力を集中的に配置し防御陣地を形成、突入ポイントに敵が侵入したら一気に十字砲火を浴びせ敵を撃退するという所謂『最終防護射撃』のデッドコピーというべきものであった。
突入を図った帝国軍は、人民革命軍の十字砲火によって、少なくない損害を被ったのである。
人民革命軍の攻撃が予想以上だったことに驚いたシュターデンは一時退却を命じた。
・
・
・
「叛徒どもめ中々手強いな……まさか、戦力が500隻にも満たないというのは奴等の欺瞞工作だったのか!?」
「落ち着いてください閣下。敵の戦力が500隻未満なのは事実でしょう。ロンドリーナで帝国軍の艦艇を接収したとしても、何千隻もの艦艇を揃えられるわけがありません。」
「確かにそうであったな……しかしこれでは短期での突破は無理であろう。本国に援軍を要請すべきか……」
シュターデンが思案していると、ミッターマイヤーが提案をした。
「閣下、ここは艦隊を二手に分け、一隊をロンドリーナ方面へ向かわせるべきです。」
「しかし、それでは相当な時間を要することになるぞ?」
「いや、実際に向かうわけではありません。向かうよう
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ