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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第79話
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―――――マルギレッタさんはどういう立場の人だったの?多分だけど、メサイアさんのお母さんも今の話にあったヴァイスハイト皇帝の”戦友”の中に含まれているんだよね?」
「ええ。私のお母様はメルキアとの戦争に敗戦し、メルキアに吸収された”旧アンナローツェ王国”の女王だった方で、国民達からは”アンナローツェの聖女”と称えられていた方ですわ。」
「何だと!?」
「お、お父さんが皇帝で、お母さんまで王族――――――それも、女王だったって事はメサイアって、アルフィン皇女殿下達よりも”尊き血”を引いている人なんじゃあ……」
「うむ……間違いなく血筋で言えば、メサイアの方がアルフィン皇女殿下達――――――いや、皇帝陛下を含めたアルノール皇家の方々の誰よりも上だな……」
トワの質問に答えたメサイアの答えを知ったその場にいる多くの者達が驚いている中ユーシスは驚きの声を上げ、表情を引き攣らせて呟いたエリオットの推測にラウラは頷いて真剣な表情でメサイアを見つめた。
「なるほどね……という事はアンタの”光”を扱った魔法剣もそうだけど強力な光の魔術や治癒魔術は”聖女”とまで称えられた母親の血を引いているからなのかしら?」
「恐らくはそうだと思いますわ。お母様は神聖魔術や治癒魔術を得意としている方ですし。」
目を細めたセリーヌの推測にメサイアは静かな表情で同意した。

「あら?ですがメサイアさんは確か”光”とは正反対の属性―――”闇”の魔術や魔法剣も得意としていますが……」
「何じゃと?ただでさえ相反する属性の霊力(マナ)を扱う事は難しいにも関わらず、上位属性でもある事から、より高度な知識や技術が求められる”空”と”時”にあたる”光”と”闇”の霊力(マナ)を扱える事を考えると、まさか父親の血筋も関係しているのか?」
「え、えっと……多分そうだと思いますわよ。」
エマの疑問を聞いて眉を顰めたローゼリアの推測に対してメサイアは冷や汗をかいて苦笑しながら答えを誤魔化し
「ヴァイスハイト皇帝が”闇”………そんな印象には見えなかったのだがな。」
「ハッ、カルバートどころかエレボニアも滅ぼそうとしているんだから、カルバートの連中もそうだがエレボニアの連中にとってもとんでもない大悪党――――――”闇”とやらに見えてもおかしくないだろ。」
「いや、人の性格と霊力(マナ)の性質は関係ないわよ……例えばヴィータなんて”深淵”なんて異名がついているけど、最も適している属性は闇―――性格で言うと陰険や根暗みたいな暗い性格を連想させる”時属性”じゃなくて”慈悲”や”愛”と言った性格を思い浮かばせるような”水属性”だし、エマだって最も適している属性は”熱血”や”勇敢”といった暑苦しい性格を連想させる”火属性”だけど、エマはそんな性格とは全然違うでしょうが。」
「アハハ……」
困惑
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