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レーヴァティン
第百五十二話 ロードス島の攻防その十一

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「豊富でだ」
「強いんだな」
「それも相当にな」
「文字通りの戦闘国家か」
「スパルタはな」
「そういうことだな、まあとにかく奴隷はな」
 また彼等の話をした。
「解放していくな」
「政としてだな」
「まあ解放を言って奴隷の蜂起を期待とかはな」
「しないな」
「奴隷っていっても食えて扱いがいいとな」
 それならというのだ。
「それに満足してな」
「動かない」
「そうだよな」
「悪く言うとだ」
「奴隷の幸せか」
「そうなる、だがこれはあくまで悪く言った場合でだ」
 芳直はこのことを断りつつ久志に話した。
「人間誰でも現状に満足しているとだ」
「それで動かないな」
「食えて扱いがいい、住んでいる場所や服もいいとな」
「それでだよな」
「満足する」
「衣食住足りてるとな」
「それも人間だ、だから俺っち達はな」
 芳直は久志にさらに話した。
「奴隷を解放してもだ」
「そのままかそれ以上にか」
「いい暮らしをさせられる様にしなければならない」
「さもないと昔の方がよかったってなるか」
「革命を起こして階級はなくなった」 
 芳直はこの言葉は幾分シニカルに出した、それは彼の革命というものに対する考えが滲み出ていた。
「しかし食えなくなった」
「それじゃあ意味はないな」
「奴隷解放は階級を破壊して終わりか」
「むしろそこからだな」
「ちゃんと食えて住むところもあってな」
「服も待遇もだ」
 そうしたこともというのだ。
「よりよくしてだ」
「やっと解放だな」
「そうだ、ではいいな」
「ああ、政のことも考えてな」
「この島での戦後処理が終わればな」
「行くか」
 久志は自分から言った、そうしてだった。
 今は戦後処理にあたった、そしてその後でいよいよ本命である都市国家群の制圧に兵を向けるのだった。


第百五十二話   完


                  2020・3・1
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