第百五十二話 ロードス島の攻防その七
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数日かけてようやく全て制圧した、騎士団員達は全て倒すか捕虜とし最後の抵抗を続ける騎士団長もだった。
剛が率いる精鋭達が槍を突き刺して倒した、剛は本陣に戻ってそうして久志のその最後の戦いの状況を話した。
「地下道の最後の一隅に追い詰めてね」
「そうしてか」
「最後まで一緒だった腹心の団員達も倒して」
「いよいよ団長か」
「それで降伏を言ったけれどね」
それでもだったというのだ。
「あくまで戦って」
「それでか」
「こっちの兵を何人も斬って」
「強かったか」
「だから遠巻きに鉄砲や弓矢を放って」
そうしてというのだ。
「倒そうとしても」
「幾ら撃っても立っていたんだな」
「だから止めに十人の兵が槍を突き刺して」
「それでやっとか」
「そう、やっとね」
まさにという言葉だった、剛の今のそれは。
「倒したよ」
「そうだったんだな」
「強かったよ」
剛は団長に対して素直に褒め称える言葉を述べた。
「弁慶さんみたいだったよ」
「倒れなかったからか」
「僕もこの世界で随分戦ってきたけれど」
「それでもか」
「本当に立ち往生みたいなのはじめて見たよ」
「俺もそれはないな」
「そうだよね、皆はどうかな」
剛は本陣にいる仲間達に問うた。
「そういうの見たことあるかな」
「流石にないです」
夕子が答えた、そして他の面々も喋らなかった。それは見たことがないという意味に他ならない沈黙だった。
夕子はその中でさらに言った。
「流石に」
「そうだよね」
「っていうか凄い団長だな」
久志も素直な感嘆の言葉を出した。
「そこまで戦うなんてな」
「ただ強いだけじゃなくてねえ」
「気迫もか」
「うん、凄くてね」
それでとだ、剛はさらに話した。
「兵達も驚いていたよ」
「そうだよな」
「こっちを何人も斬り倒してね」
「鉄砲や矢を幾ら撃っても倒れないでか」
「それで十人だよ」
「十人の槍を受けてだな」
「それでやっと死んだから」
だからだというのだ。
「こんな豪傑ははじめて見たってね」
「やっぱりそうだよな」
「うん、それで団長さんも」
「復活させてな」
そしてとだ、久志は剛に答えた。
「こっちに入る様にな」
「言うね」
「そうするな」
「そうすべきですね」
夕子も言ってきた。
「騎士団全員について」
「勇敢で強かったからな」
「見事でした、ですから」
「是非共な」
「こちらに迎えましょう」
「一人も背を向けず戦ったからな」
久志は腕を組んで述べた。
「卑怯なことをしなくてな」
「地下道でも堂々と戦いましたね」
「ああ、本当にな」
「勇者と呼ぶべきですので」
「勇者はこっちの味方にする」
「そうなれば大きな力なので」
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