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戦闘携帯のラストリゾート
傷つくことより怖いこと
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どれだけ嫌だと言っても、たとえサフィールが傷つくとしても知るべきだわ。だってこのままじゃ、ずっと自分のお姉さんが会ってくれない理由がわからなくて苦しみ続ける。それは傷つくよりも、ずっと怖いことだと思う」
【おや、サフィール君に会いに行くんですか?】
「ここまで関わってほっとけない。スズ、居場所はわかる?」
【ええもちろん】

 スマホにリゾート全体のマップと、青いアイコンが表示される。そこまで遠くない場所にいるみたい。
 
「サフィールにもキュービにもやらなきゃいけないことがある。でないとわたしは……アローラに戻っても怪盗なんて名乗れない」

 怪盗になれたのは、クルルクのおかげ。クルルクが完璧な怪盗で、家族や自分のことで悩むわたしに対して真剣に言葉をかけて、勝負してくれたから今ここにいる。怪盗として招かれている。
 わたしは彼みたいに完璧じゃない。でもせめて怪盗として関わった人達に対しては本気で向き合いたい。
 ここで逃げたら……昔姉さんに無理矢理似合わない服を着せられて泣いてた時や。
 ヒーローであることから目をそらしてシルヴァディに失望されたときと何も変わってない。

「だから行くよ、わたしが自分のなりたいものであるために。みんな、ついてきてくれるよね?」

 ラティアスも、ツンデツンデも手持ちのみんなも頷いてくれた。……シルヴァディはやっぱり不機嫌そうな顔だったけど。

「あ、でも……その前に着替えかな。スズ、クルルクが部屋の中に隠れてたりしないよね?」
【隠れていたとしてもあなたが着替えるのなら出て行くと思いますが……ともあれ大丈夫ですよ】

 色々あったから忘れそうだったけ。大人のお姉さんらしい格好に変装してた上、しかも関節を外したり走ったりしたから大分服装が乱れてる。
 ちょっと考えたいこともあるし、怪盗として目的にふさわしい格好ってのはあるもんね。
  




【それにしても、ずいぶん着替えが長かったですねえ】
「スズ、うるさい」

 どうしたいか悩んでいたら、随分時間が掛かってしまった。怪盗として忍び込む時の服装に近い黒のスカートと灰色のシャツ。髪型は初めてサフィールや護神と会ったときと同じいつもの長さで。
 普通の人から見て不自然にならないように、だけどサフィールには怪盗としての気持ちが伝えられるように。

『とってもよく似合ってる。出来れば一緒に歩いてみたかったけど、ちゃんと伝えるね。キュービが何を考えていても怪盗乱麻は狙った獲物を諦めない……って』
「うん、だから一旦さようなら。だけど、あなたはわたしの……大切な仲間だから。帰る日までは時間があるし、また散歩だって出来るわ。サフィールと上手く話を付けられたら、また会いましょう」

 ラティアスの姿は透明になって
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