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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第671話】
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合わせて一五〇〇、大してハンデになっていないのは明白だった。
 誰かが口を開こうとしたその時、オペレーション・ルームのスライドドアが開く。

「中々面白そうな話をしているね」
「……! クラウゼ司令!」

 入ってきた男性を見て敬礼する黒ウサギ隊の面々、慌てて学生である俺達も敬礼しようとするが制止する様に手を前に翳した。

「敬礼は良いさ。それよりも僕もその模擬戦の観戦しても良いだろうか? アリーナはいつものアリーナではなく、我々が軍事訓練をするための特別なアリーナを貸し出すので」

 年齢はまだ三十代前半といったクラウゼと呼ばれる司令は織斑先生を見て更に口を開く。

「僕もね、彼には興味があるのだよ。我々の黒ウサギ隊隊長の心の氷を溶かした彼をね?」

 そう言ってから俺を見たクラウゼ司令の目は真っ直ぐで、アイスブルーの瞳に冷たさは感じなかった。

「それに……クラリッサ君、君の機体の実戦データをとるには悪くないと思うんだよ。本来なら『我が国家代表』がお相手とも思うのだが、彼女は今は国防で手が離せないのでね」
「じ、実戦データはわかりますが……」
「ならば問題はないはずさ。君たち黒ウサギ隊の機体である【リスペルン・ガイスト】も各装備の使用実戦も行えるんだしね。織斑教官、僕の方でアリーナの申請出しておきますので遠慮なく使って構わないよ。それと、今日は補給も兼ねて我々の基地で一泊して疲れを癒してほしい。君たち全員に上級士官用の個室を用意しておくから」

 上級士官用の個室と聞いて驚くのはセシリアや鈴音、シャルとエレンだった。
 どんな部屋なのかは分からないが身体を休ませられるのであればありがたいがーー。

「ありがとうございます、クラウゼ司令」
「では、僕は先にアリーナで待ってるから。セッティング含めて一時間あれば問題ないかな?」
「えぇ、ご配慮ありがとうございます、クラウゼ司令」

 何はともあれ、俺の意思とは関係なく黒ウサギ隊との模擬戦が確定した俺はーー。

「えっと……よろしくお願いしますね、皆さん」

 挨拶をすると、クラリッサは鋭い目付きで俺を見、言葉を紡ぐ。

「有坂教官の息子とはいえ、私としては手加減するつもりはない。ラウラ隊長の嫁という事を差し引いてもだ」
「わはははっ、それでいいぜクラリッサ! お前たち黒ウサギ隊の実力、ヒルトに見せてやれよな!」

 腕組みして高笑いする親父、美冬はキッと睨み付けると高笑いが止んだ。

「お父さん! もう……。織斑先生、五対一は流石にお兄ちゃんでも厳しいと思います。せめて一人か二人はアシストに入れてもーー」

 そう告げる美冬の言葉を遮り、織斑先生は頭を振りながら応えた。

「いや、このまま五対一で行う。無論疑問に思う者も多いだ
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