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夢幻水滸伝
第百三十二話 北西へその十五

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「あたしが握ったんだよ」
「そうかい、じゃあ楽しませてもらうな」
「存分にね、それとね」
「それと?」
「吉君身体の動き良かったね」
「よかったねってさっきの鍛錬見てたんだな」
「ちょっとね、松尾さんとしてたあれね」
 日毬と木刀で実戦さながらの稽古をしていたのだ、竹刀や防具を使ったものではなくそちらの稽古だったのだ。
「いい感じだったね」
「毎日身体かなり動かしてるからな」
「鍛錬をしてるってことだね」
「だからな、さっきもな」
「動きがよかったんだね」
「やっぱり身体を動かしてるとな」
 それでというのだ。
「身体の動きがよくなるんだよ」
「そういうことだね」
「ああ、じゃあ戦でもな」
「いい動きでだね」
「戦っていくな」
 幸田は言いつつここで三個目のお握りを食べた、そのお握りの具はというと。
「三個目でツナだよ」
「よかったね」
「ああ、やっぱり美味いな」
「この世界でもツナがあってよかったよ」
 麻友も幸田に笑顔で応えた。
「あたしもお料理に使えるしね」
「それで食っても美味しいしな」
「本当にあっていいものだね」
「この世界食いものは起きた世界と変わらねえからな」
「そして起きた世界にない食材も多いしね」
「だよな、そっちも楽しめるな」
「じゃあ戦の後は何にしようかね」
 麻友はその時の料理のことを今の時点で考えて笑って述べた。
「一体」
「鴨すきなんかどうだよ」
 幸田は麻友にツナの握りを食べつつ明るい笑顔で話した。
「濃い醤油で味付けしたな」
「ああ、鴨すきだね」
「酒はねえけどな」
「勝ったその時のお祝いでね」
「いいだろ、これも」
「牛のすき焼きもいいけれどね」
「鴨もいいからな」
 こちらの肉で鍋をしてもというのだ。
「美味いからな」
「それじゃあね」
「ああ、じゃあな」
「勝った後は鴨すきを作るよ」
「楽しみにしていようぜ、それで戦が完全に終わったら」
 太平洋と地下世界の覇権を争うそれがとだ、幸田はこうも話した。
「とっておきの酒出して美味いものもな」
「とびきりのを出してだね」
「そして食おうな」
「それじゃあね」
 二人で話してだ、そのうえでだった。
 幸田と麻友は今はお握りを食べた、二人も日本の他の者達も乗せている移動要塞は戦に確実に向かっていた。


第百三十二話   完


                    2019・10・1
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