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夢幻水滸伝
第百三十二話 北西へその十四

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「おかかか」
「そうだよ」
「こっちもいいけれどな」
「ツナ食べたかったんだね」
「二個目はな」 
 こう麻友に言うのだった。
「そうだったけれどな」
「お握りは外から見ただけじゃわからないよ」
 中の具はとだ、麻友は少しぼやく幸田に笑って返した。
「だからね」
「このことを言っても仕方ねえか」
「そうだよ、それとね」
「それと?」
「ツナはちゃんと入れてるから」
 幸田の好きなそれはというのだ。
「だから絶対に食べられるからね」
「安心していいか」
「そうして食べてね」
「それじゃあな」
「そして五つあるけれど」
「さっき食った梅干し、今食ってるおかかにな」
「昆布にツナにね、葱味噌も入れておいたよ」
 この具のものもあるというのだ。
「だからね」
「全部か」
「五つ全部食べて楽しんでね」
「じゃあそうさせてもらうな」
「ご飯にはお塩を利かせて」
 握る時に手に付けたのだ、お握りの基本である。
「海苔も巻いてるしね」
「本格的だよな」
「お握りは手軽で食べやすいけれど」
「それだけにな」
「色々考えないといけないところがあるんだよ」
 麻友は幸田に料理人として話した。
「だからね」
「そうしたところもだよな」
「ちゃんと考えてね」
 そうしてというのだ。
「あたしも握ったんだよ」
「おいらの為にだな」
「ちなみにご飯と具は皆の為に炊いて作ったよ」
「それでおいらの為に握ったんだな」
「そうしたんだよ」
「悪いな」
「だって吉君だよ」
 麻友は幼馴染みであり恋人でもある彼に笑って話した。
「だからね」
「わざわざ握ってくれたんだな」
「他の人のお握りも握ったけれど」
「おいらのもか」
「そうしたからね」
「それで持って来てくれたんだな」
「そうだよ、勿論あたしのもね」
 今自分が食べているそれもというのだ。
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