第二百三十九話
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第二百三十九話 入浴の仕方
美樹は清潔がどれだけ重要であるかということを認識する前から風呂には毎日入ってそうして清潔にはしていた、だが。
その話をしてから余計に気にする様になりビルガーとファルケンにもこんなことを言ったのだった。
「洗う場所は隅から隅までよね」
「お身体のですか」
「まさに隅から隅までと」
「ええ、そうしないと駄目よね」
問う言葉だった。
「脇や足も」
「ご主人はもう洗っておられますが」
「入浴される時は常に」
「足の指の一本一本まで」
「それに耳の後ろや耳まで」
「それこそ隅から隅まで洗っておられますが」
ビルガーとファルケンは美樹に自分達が見たありのままを話した。
「ですからご安心下さい」
「そのことは」
「だといいけれど。何でも足とか脇は」
美樹は二羽に自分が聞いたことをそのまま話した。
「凄く匂うらしいから」
「そうなのですか」
「匂うのですか」
「人によるらしいけれど」
つまりその人の体質によるというのだ。
「それでもね」
「やはり匂いを出したくない」
「そうなのですね」
「私女の子だし」
だから余計にというのだ。
「気をつけようと思ったけれど」
「そのことはご安心下さい」
「大丈夫です」
「だといいけれどね。何でも女の人は余計に匂うらしいのよ」
「女の子の方がですか」
「それは意外ですね」
「男の子の方がいつも身体動かして泥と汗にまみれて匂うイメージがあるけれど」
それがとだ、美樹は話した。今は自分の机で本を読んでいてその合間に気分転換として話しているのだ。
「それが違うみたいで」
「女の子の方が匂う」
「その様に聞かれたからですか」
「ご主人は気をつけられますか」
「以前よりも」
「健康のこともあるし」
それに加えてというのだ。
「気をつけていくわね」
「ではこれからは」
「ご入浴の際はこれまで以上にですね」
「身体をしっかり洗っていくわね」
ただ汚れを落とすだけでなく匂わない様にする為にとだ、美樹は使い魔達に言った。そのうえでこれまで以上にじっくりと入浴の時は身体を洗うことを決意した。
第二百三十九話 完
2020・3・1
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