援護
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何ですか!?」
リュカの言葉に目を丸くして驚き怯む。
「さっきみたいな場面では、魔法が頼りなんだ!なのにメラミで1匹倒した程度…先程の戦闘で活躍したのは、ハツキ一人だ!己の身体能力を最大限に駆使して、華麗に舞い敵を倒した!それに引き替えウルフ…君はメラミを放っただけ…せめて3匹に大ダメージを与えられるベギラマくらいは唱えられないと…」
リュカの落胆な口調に言葉が出ないウルフ…
「お、お父様!そうは言いますが、ウルフ様のメラミは凄かったですわ!1発でテンタクルスを倒したのですから!」
正確には1発ではない!
それまでにアルル等の魔法で、ダメージを与えておいた結果である…
しかし最終的に敵を倒したのは、ウルフのメラミである事に違いはない。
「マリー…お前に戦闘の何が分かる…?」
皆が、溺愛する娘の言葉でリュカが怯むと思っていたのに、渋い表情のまま苦言は続いた。
「今、お前達には守る者がある!この船と、船を動かしてくれている水夫達だ!誰かを守りながら戦うという事は、非常に難しい事なんだ。負ければ自分だけでなく、守ろうとした者の命も失う事になる…『頑張りました』じゃ意味がないんだよ」
マリーとウルフだけでなく、聞いていた者全員が俯き黙る…
「マリーは魔法の威力が強すぎて、味方に被害を出しかねない…逆にウルフは威力が弱すぎて、味方を危険に晒してる…」
短時間の沈黙が辺りを過ぎる。
そして瞳に涙を浮かべたマリーが、リュカを睨み言い放つ!
「じゃぁ、私とウルフ様で魔法の勉強を致します!そして私は威力調整を…ウルフ様は強力な魔法を…それぞれマスターしてみせますわ!!」
そう言い、袖で涙を拭うと、ウルフの手を引き船室へと走り去って行く。
甲板にはリュカ・ビアンカ・ハツキ………そしてカンダタ・モニカと幾人かの水夫達。
皆が居たたまれない気持ちで作業をしている。
それに気付いたビアンカが、付近に先程リュカに叱られた4人が居ないのを確認し、リュカに本音を話させる。
「…相変わらず………人を操る事が上手いわね…」
「………真面目なヤツ程操りやすい!」
夫婦の表情は笑顔だ………いや、人の悪い笑顔だ!
「え!?ど、どういう事ですか!?」
まだまだ若いハツキが問う。
カンダタとモニカも身を乗り出して真相を聞きたがる。
「リュカは別に怒ってなどいないのよ。ただチャンスを利用しただけ…」
「「チャンス?」」
「そ!ティミーとアルルちゃんは、お酒の勢いで急接近したらしく、妙に意識し合ってるから、上手くいく様に切っ掛けを与えたのよ!」
つまり…魔法の個人授業を介し、男女の仲を進展させようとしたのだ!
「じゃ…ウルフとマリーちゃんは?」
「あっちも同じよ…何があったか分からないけど、何かがあってマリーが
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