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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十六話 ブライウング・ローレライ作戦
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「作戦名か」
ラインハルトはちらとヤン・ウェンリーを見たが、ヤンは何も言わなかった。全てラインハルトに任せると言った様子だった。
「作戦名は――」
澄んだアイスブルーの瞳のきらめきは、あれだけの大敗北を受けても未だ屈しない闘志をたたえていた。
「ブライウング・ローレライ」
その言葉は万座を静かに圧倒した。戦慄を伴って駆け抜けた単語の意味をくみ取った面々は思わず口々につぶやいていた。
「ローレライの――。」
「解放・・・・・。」
「ローレライというのは古代の欧州での人を惑わせる木霊という伝説があるが、私はもう一つの話を聞かせてもらっていた。幼いころにな」
ラインハルトの瞳があの頃を思い出すかのように遠い瞳をした。フィオーナはラインハルトの隣の席を見た。アレーナがはっとした声をのんだ気配がしたからだ。
「まさか・・・・!!」
アレーナはあの日の回想を思い起こしていた。
それは――。
* * * * *
ミューゼル邸の一室で抱えてきた本を広げながら、イルーナは言った。
「今日はローレライの話をするわね」
「イルーナ姉上の話しているローレライって何?」
ラインハルトの問いかけにイルーナはちょっと生真面目な顔を作った。どこかでこの小ラインハルトを怖がらせようと思ったのかもしれない。
「船に乗っているとどこからともなく聞こえてくる木霊で、それに従っているといつの間にか船が岩にぶつけられるという怖いお話よ」
「嘘だ〜!!」
それがあまりにも断定的だったので、イルーナは「えっ?」と言う顔をした。
「どうして嘘だと思うの?」
「だって、姉上が聞かせてくれたお話はそんなものじゃなかったもの」
イルーナが「どういうこと?」というように側にいたキルヒアイスを見ると、キルヒアイスも首をかしげる。どうやらその話はラインハルトがキルヒアイスとまだ出会う前に聞かされていた話だったようだ。
「ローレライっていうのは悪魔を追い払う妖精さんの事なんだよ。イルーナ姉上。キルヒアイス」
ラインハルトの口ぶりがまるでアンネローゼそっくりだったので、思わずイルーナとキルヒアイスは笑った。
「昔一匹の悪魔がいたんだ。その悪魔は歌が上手くて、旅人を歌で誘って誘惑したんだって。けれど、それに気が付いた勇者とローレライっていう妖精が力を合わせて悪魔を退治したんだ」
「それ、どうやって退治したの?」
キルヒアイスが尋ねた。
「ローレライが歌を歌うと、悪魔の歌に惑わされていた人々が正気に戻ったんだ。悪魔が驚いている隙を狙って勇者が悪魔を斃したんだって」
「へぇ〜〜」
「ほんとだよ、アレーナ姉上」
「そうなのかしらねぇ、どう思うイルーナ」
「まぁ、伝承だから
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