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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十六話 ブライウング・ローレライ作戦
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った。

「本日より1週間後、9月23日0900時にイゼルローンを出立し、同盟のティアマト星域においてかの者と雌雄を決する。敵の動きは――」

 ラインハルトの視線を受け取ったレイン・フェリルが立ち上がった。

「敵は早々に動き始めた模様です」

 一同の顔に緊張が走った。

「既に無人偵察衛星の数十基が破壊されましたが、その痕跡からティアマト星域に向けて航路を取った模様。敵の総数は不明ですが少なくとも、20万隻超の艦艇があると見込まれます。シャロン・イーリス自身が陣頭に立っている様子です」

 一同がざわついた。あの非常識きわまる破壊力を見せつけられた後なので、余計に恐怖が先行するらしい。それを見て取ったラインハルトが口を開いた。

「過日我々は純然たる力において彼奴に敗れた。此度は智、そして団結を用いて戦う。そのための策もすでに用意してある。これは過去において実証済みの物であり、彼奴に充分効力があることもわかっている」

 一同の眼の色が変わる。アレーナは内心舌を巻いていた。過去というのは前世であり、ラインハルト自身がその様相を知らないにもかかわらず、まるで見てきたように言っているのである。

「既に彼奴の力を無力化するシステムを開発している。これをもって彼奴の力を封殺し、ティアマト星域において完膚なきまでにこれを叩く。いや・・・・」

 ラインハルトはヤン・ウェンリーを見た。うなずき返したヤンの顔を確認し、彼は一同を見まわした。

「シャロン・イーリスを討つ。必ずだ。もはや帝国も同盟もない。全てはこの宇宙に生きる我々人類と奴との存亡の戦なのだ。この決戦こそが人類存亡の分かれ目になると心得よ」

一同はラインハルトにうなずき返した。

「ミッターマイヤー」
「はっ!!」
「卿は先陣としてティアマト星域に布陣。卿の快速をもって敵を翻弄し、陣形に綻びを生じさせ、敵を足止めし、本隊到着を待て」
「御意!!」
「第二陣フロイレイン・ティアナ、右翼アイゼナッハ、左翼ルッツ、本隊前衛をフロイレイン・ダイアナ、そして本隊を私自身が率いる。キルヒアイスは予備兵力として待機。そして、フロイレイン・フィオーナには特務艦隊を率いてもらう」

 まだ顔色の青いフィオーナに視線が集中した。隣のミュラーはそっと机の下で彼女の手を握った。

「フロイレイン・フィオーナを護衛する役割を、ミュラー、卿にゆだねる」
「はっ!!」
「イゼルローン要塞の留守はメックリンガーにゆだねる。なお、自由惑星同盟の諸艦艇については、すべてヤン・ウェンリー大将の指揮下で運用するものとする」
「閣下」

 ミュラーが手を上げていた。重傷を負ったがそれに屈せずフィオーナの隣に座っている。

「此度の作戦名は何とされますか?」

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