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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十六話 ブライウング・ローレライ作戦
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 当年26歳。銀河基準面東方方面軍司令官として、主に辺境方面でにらみを利かせつつ後進を育てていた銀河帝国の才媛はアレーナにあった瞬間に短く目礼した。

「イルーナ主席聖将がお亡くなりになったそうですね」

 ダークグレイの髪形をセミロングにした隙のない顔立ちをした彼女は黒い瞳を伏せた。左胸にアーガイル家の紋章を施した帝国軍服を着ているが、その紋章がどこか喪章のように見えた。

「ええ」

 アレーナは言葉少なに応えた。

「だから、あなたにもついに表舞台に出てきてもらう羽目になってしまった。苦労を掛ける、という言葉で済ませられる話じゃないけれど、今は協力してほしいのよ」
「おっしゃるまでもありません。フィオーナは?ティアナは?二人ともどうしていますか?」
「・・・だいぶ参っているわよ。フィオーナは最愛の人をなくして、ティアナは、まぁ、何というか、あんなジャジャ馬に見合う相手がいるのかと疑ったけれど、その相手の生死不明さを嘆いて――」
「私はそんな愁嘆場を見せる様な女じゃないです」

 きっぱりした声が返ってきた。ティアナがしっかりした足取りでこちらにやってきた。そして直立不動の姿勢を取った。左腕を水平にして胸に当てる所作は銀河帝国ではなく前世の所属騎士団の礼法だった。

「お久しぶりです」
「おやまぁ、珍しいこと。アンタが敬語を使うなんてね」

 アレーナがティアナをからかい、ティアナはむっとした顔になったが、ダイアナは少し表情を柔らかくした。

「相も変わらず、ね」
「そんなところです。だいぶやられはしましたが、やられっぱなしになる私じゃありません。私はフィオを支えると誓ったんですから」

 ともかく会議室へご案内します、とティアナはいい、3人はイゼルローン要塞大会議室に向かった。

* * * * *
会議に先立ち、ラインハルトの発案で黙とうがささげられたのち、ラインハルトが会話の糸口を作った。糸口というよりも、彼は既に決定された作戦を皆に伝えるだけの気持ちでいるようだった。
そして、諸提督が驚いたことに、ヤン・ウェンリーもこの作戦を知悉している、というよりも作戦が二人の頭脳から出た様に見受けられることだった。
絶妙のタイミングでヤンがうなずいたり、補足したりする様をみれば、そう思うほかない。ラインハルト、キルヒアイス、ヤン・ウェンリー、そしてアレーナ。この4人とダイアナが秘密会議を行い、そこで極秘に戦略戦術を決定したことを知る者は他にはいない。
アレーナとダイアナはその後二人だけで話し合いを行った。これはラインハルトすらも知悉しない、してはならない内容であった。
そうして今、生き残った双方の勢力の主要提督がイゼルローン要塞の会議室に集結している。幕僚たちを合わせると数百名を要する大所帯にな
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