離別のファクター
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ゃ冗談になんねぇぜ!」
「……アルガス一等陸士、何か質問があるなら今の内に言ってくれ。あと、いくら古株だからと言ってその口調は上官に対するものでは……」
ゼスト隊長の指摘を遮るように彼はこぶしを握り締めて壁を叩き、堰を切ったように不満をぶちまけ始めた。
「こんな地獄みてぇな状況に上官もクソもあるか! もうこの際だ、全部ぶっちゃけてやるぜ! 俺はなぁ、もうアンタらには付いていけねぇんだよ! これまで散々戦ってきて、アンデッドには俺達の攻撃が通用しねぇって思い知らされた。エナジー使いが全員やられた以上、この期に及んで管理局の面子やらプライドやらに拘ったらここにいる連中は確実に全員死ぬ。生き残りたきゃ土下座してでもアウターヘブン社の力を借りるしかねぇってのに、度し難いことに上は手を切りやがったんだぞ!? 命令が信用できないのも当然だろうが!」
「それは歌姫を確保しようとした結果、アウターヘブン社に敵対行為を取ったと認識されたためで、俺達に彼らと争う意図は……」
「ハッ! 自分の責任を外に押し付けてんじゃねぇよ! 俺は知ってるんだぜ、最初に手を出したのはアンタだとなぁ、隊長。そこまで管理局のプライドが大事か? そこまで地上を守るのは自分達であると誇示したいのか? ああ、ファーヴニルの封印がヤバいってことなら俺だって察してるさ。だが、そんなにヤバいなら素直に頼めばいいじゃないか! なんでわざわざ喧嘩を売るような真似をする? 歌姫を確保すれば、管理局がファーヴニルの封印を維持していると世間に知らしめられるとでも画策したか? 依頼料やプライドが邪魔でもしたか? もしそうだとしたら、今の上層部も権力と立場に拘ったアホしかいねぇってことになるなぁ!」
「アルガス! それ以上は上官侮辱罪になるぞ!」
「知るか! どうせ今の管理局に法をどうこうする力は残ってねぇし、資格もねぇよ! 上がやらかした犯罪や癒着の隠蔽工作で消された奴が、どんだけいると思ってる? もはや管理局は味方さえ信用ならない、敵だらけの組織と化した! 俺達は上層部の椅子と財布を守る生贄じゃねぇ! 昨日だって歌姫が助けてくれなきゃ、バリケードを破られて地上本部は全滅していた! あれでハッキリした、このまま管理局にいれば間違いなく道連れにされるってな!」
「しかし俺達が戦わなければ、市民に被害が……」
「そういうことをほざくのはアンデッドの一体でも倒せるようになってから言え。自分の身も守れない奴が市民を守れる訳がねぇよ。せいぜい餌になって時間を稼ぐしか出来ねぇさ。だが俺は殉職なんてしてやらねぇ、こんな組織のためになんか死んでやらねぇ。ああ、俺はまだ死にたくねぇ、顔も知らねぇ誰かのために死んでたまるかってんだ! 赤の他人が何人死のうが関係ねぇんだよ!」
「アルガ
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