離別のファクター
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策を取ってるんじゃないかしら」
「だが頼ることは出来ん。俺達と彼らの道が分かたれた今、俺達には俺達の、あちらにはあちらの戦いがある。互いの戦いが互いの戦況に影響し合い、それが協力にも妨害にもなるだろうが、利害関係が一致しない者達が一斉に戦えば往々にしてそうなるものだ」
「治安維持組織とPMCでは根本的な部分で違うし、むしろ今まで共闘できていたのが奇跡だったのかもしれないわね。ところで隊長、今回の敵戦力の規模は?」
「残念だが、アンデッドと質量兵器の規模は不明だ。管理局のレーダーはその方向ではあまり使い物にならない。これまではアウターヘブン社のレーダー情報を下に戦力を分析していたのだが……」
「あ〜分野が違うから、魔力やロストロギアが関わらない部分の探知能力は推して知るべしということね……」
「だが魔力反応は確認できている。高空に乱高下する反応が一つ、聖王教会に高ランクが一つ、少し離れた所に一つ、という具合だ」
「敵に魔導師は三人……一人はショッピングモールを砲撃した男の子かしら。でも乱高下って何? 乱数みたいになってるってこと?」
「似たようなものだが、そっちは高空に現れてから周囲を飛び回っているだけで降りてくる気配はない。無視する訳ではないが、今は相手にしなくとも良いだろう。問題は残ったもう一人だ。こっちの魔力反応は高町なのはのもので、現在フェイト・テスタロッサと交戦中だ」
「ッ……病院から行方不明って連絡が来てたのは知ってたけど、そもそもあの二人って友達だったはずよね? 交戦ってことは、裏切ったの? あのエターナルエースが?」
「レジアスと俺はそう見ている。彼女は聖王教会に滞在していた騎士やシスター数十名を既に殺害しているようだからな。ただ、彼女だけは生かして捕獲してほしい。殺人は重罪だ、ましてや大量虐殺を犯した奴は生死問わずに即刻確保するべきだろう。だが……」
「停戦協定の内容には、高町なのはの身柄譲渡が含まれていたわね。でも既にあちら側にいるなら、譲渡は既に為されたも同然じゃ……?」
いや……それは違う。少し複雑だけど、実はそうじゃないんだ。
「クイントさん、停戦協定を提案したのは公爵デュマだ。公爵デュマの下に高町なのはが引き渡されていなければ、その条件は果たされたとは言えない。つまり彼女の身柄が他のイモータルの派閥に渡っている場合、そこから奪取してその後に公爵デュマへ渡さなければ、条件は満たされないんだ。しかも相手の受領宣言も必要」
「うわ、厳し!? そこまでちゃんとやらないといけないの?」
「違う組織相手に取引しても意味が無い。順序通りにやらないと後で条約違反扱いされる隙を生み出すことになるから、政治的要因が関わるとこうやって厳しくならざるを得ないんだ。その上、今
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