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リリなのinボクらの太陽サーガ
離別のファクター
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気分悪い」

「……(コクコク)」

「ま、それ以上に、この人には死んでもらっては困る。公爵の計画は関係ない、今更人類側に寝返るつもりもない。ただ決着をつける前に死なれるのは嫌なだけ。うん、嫌なだけ……」

「……」

エリオの中で何かが変わりかけている。エリオ本人は気付いていないが、傍で見ていたカナンの目には小さくて儚いが、暗闇の中でも確かな存在を醸し出す光が映っていた。

そんな時、カナンの視界に入ったのは青いピッチリスーツの女性達……クアットロとウェンディ、トーレが聖王教会の様子をうかがう姿だった。本来ならリトルクイーンに連絡するか、妨害のために立ち塞がるかだが……。

「どうしたんだ、カナン? ……ああ、彼女達はアウターヘブン社の協力者だっけか」

「……」

「確かにこの人はすぐに治療しないと出血多量で死ぬ。ギジタイに戻る猶予も無い以上、このままじゃ絶命するから僕達では公爵に頼んで彼女をヴァンパイア化させるしかない。けどそれは、僕が決着をつけたいと望んだ彼女のままなのか……」

「……」

「わかったよ。僕の望みのためには、この人を彼女達に託すべきだって。まあ……後で渡りをつける役に立ちそうだし、そうしようか」


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