離別のファクター
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既に遅くも理解した。あばら骨にヒビが入る音が耳に入った彼女はこの一撃だけで意識が飛びかけるほどのダメージを負い、何が起きたのかわからないまま倒れた。
「シャドウシフト。フレスベルグを吸収したことで新しく覚えた、透明になる暗黒魔法だよ」
「ほら言わんこっちゃない。マジシャンが右手をあからさまに見せてきたら、左手で仕込みが進んでるってことに気づこうよ」
呆れるように見下ろすエリオ。一方で下手人のリトルクイーンは暗黒の腕で倒れたカリムの四肢を掴み、磔に近い姿勢にして彼女の眼前で持ち上げた。
「へぇ、顔はマキナ・ソレノイドによく似てるね。彼女は心臓を奪われても尚私を道連れにしたけど……あなたはどう楽しませてくれるかな? さて……おもちゃで遊ぶ前に体を検めさせてもらうよ」
狂犬のように頬を釣り上げたリトルクイーンは何を思ったか、カリムの服を力任せに引き裂いた。
「な……!?」
いきなり柔肌を露わにされたカリムは先のダメージで苦痛に歪みながらも顔に赤みが差すが、リトルクイーンは彼女の反応で更に気分を良くしたのか、露わになった部分をすりすりと触り出した。
「ふ〜ん? 虫に体中を散々喰われたにも関わらず、綺麗な身体してるね。アウターヘブン社に優れた治療を施してもらったおかげで、まるで無垢な子供のような肌だ……。ふふふ、でもそれも今日までだよ……じゃ、始めるとしようか。ふんっ!」
ドゴォッ!!
「ぐふっ!?」
「いいねぇ……!」
ドゴォッ!!
「うぐっ!」
「いいねいいねいいねぇ……! その顔を……私の顕現を遮ったあの女の顔を、苦痛で捻じ曲げられるのが、たまらなく快感だよ……!」
「あ……いや……」
「え、もうギブアップ? まだまだ、お楽しみはこれから。真っ白なウェディングドレスに墨汁をぶちまけるように、あなたを闇に染め上げてあげる」
「ヒッ……!?」
流石のカリムと言えど、リトルクイーンの言葉には身の毛がよだつ恐怖を感じてしまった。それからリトルクイーンは右手の平に暗黒物質を集め、こぶし大のサイズに固めたそれをカリムの腹部に抉りこませていった。
「〜〜ッ!!? 〜〜〜〜ッ!!!!!!」
「さ〜て、グールじゃ耐えきれない量の暗黒物質を一度に取り込んだ時、あなたはどうなるのかなぁ〜? 月光仔の血を引いてないから、サバタさんみたく人の体を保つことは出来ないかもねぇ? クスクスクス……化け物グループへいらっしゃ〜い」
一方、エリオとカナンはカリムへの暗黒物質注入が始まってすぐ、意識を失ったフェイトを連れて聖王教会から飛び去った。別に彼女に付き合う必要がなかったのもあるが、何より……、
「僕達は見てて楽しいものじゃないしね。サディストじゃないから、むしろ
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