離別のファクター
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件の最中に人肉缶詰工場を見たことがある。だからある程度のグロ耐性はついちゃったけど、かといってリアルで何度も見たいと思わないかな……。
話を戻して、リトルクイーンがここを襲った目的はやはりフレスベルグを吸収することだったようだ。現に今、イモータル一体を取り込んだことで彼女の闇の力が爆発的に増幅したのが肌で感じられた。
「滾る……! 滾るよぉ! 熱い、全身が熱いのぉ……! もう疼いて疼いて収まらないよぉ!!」
「声だけ聞くとイヤらしい感じがするけど、実際はこんなのだからなぁ。やれやれだ」
なんて呆れていたエリオは次の瞬間、後方に振り返ると同時に槍でブロードソードを防いでいた。剣の持ち主は不意打ちが防がれたとわかるとすぐ後方にたたらを踏みつつも距離を取り、緊迫した面持ちで彼らを睨みつける。
「はぁ……はぁ……よくも教会に、こんな真似をしてくれたわね……」
「へぇ、カリム・グラシア……生きていたんだ」
どうやって難を逃れたのかはいざ知らず、現聖王教会最高権力者とも言える彼女が直接相対するということは、それだけ聖王教会の被害がとんでもないということだ。普段前線に出ないこともあり、彼女の実力は未知数ではあるが……既に息切れしてる以上、逃げ出すだけで体力を相当消耗したらしい。
「でも今更しゃしゃり出てきても無駄だよ。あなた達は他人の報復心の大きさを理解できなかった、その結果がこれだ。珍しいレアスキルを持っていても、あなたの感性はごく普通。奈落に堕ちた者のことはわからないのさ。ま、預言者の著書なんてものを受け継いでおいて、普通の人として成長できたのはむしろ幸せなんだろうけど」
「……どういう意味かしら?」
「あれ? 自分の力が何のためにあるのか知らないはずは……まさか、知らされてない? ……あ、そういうことか。順番に駒を用意されてただけか」
「何の話をしてるの?」
「せっかくだ、教えてあげる。あなたと同じレアスキルの保持者は古代ベルカの時代にもいたんだ。聖王家お抱えのとある貴族で、そのレアスキルを発現させた者が代々聖王家に仕えていたのさ」
「あら、なかなか興味深い知識を教えてくれるのね。私の力がかつて聖王様の役に立っていたなら、教会を預かる者としては光栄だもの」
「光栄ねぇ……身代わりとして子々孫々利用される運命が、本当に光栄?」
「身代わり……?」
「預言者の著書は普段、聖王国に降りかかる災い……自然災害、疫病に飢餓、反乱といった問題を先んじて察知するために使われていた。表向きはね。でも裏の姿は王の盾、聖王家専用の対刺客用ボディガードだ。元々預言の使い道は表の社会的立場を明確にするための口実……真相は敵の刺客
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