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リリなのinボクらの太陽サーガ
離別のファクター
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空虚感……思い返せば、それは人助けや使命感、思い込んだら一直線の部分に現れていた。誰かに必要とされたい、自分の存在を認めてもらいたいという……他者の証明の渇望。それがわかるのは家族みたく彼女と密に接した人間か、人の心に鋭い人間ぐらいだ。多分、サバタお兄ちゃんは勘付いてはいたと思うけど、対処の時間が無かったんだろう。

一方で家族以外になのはの心情がわかる人と言えば……なのは本人しかいない。となればやはりリトルクイーンは……、

「あなたは……やっぱり、なのはなの……?」

「……私はリトルクイーン、高町なのはの“イド”を司る存在。彼女の本能的な衝動を表す者。私を消せば、高町なのはの魂は永遠に欠落することになる」

本能的な衝動……それは喜怒哀楽を始めとした感情や、そこから起因する好意に友愛、そして敵視と殺意。そうか……リトルクイーンはなのはの無意識化に存在する精神制御機構だったんだ。ならばリトルクイーンの望みとは……、

在りのままの自分(高町なのは)を受け入れなかった、世界への復讐。

「人間……ううん、生ある者なら誰しも不満はある。こんな生き辛い世界じゃ、どんな時も色々我慢しなくちゃならないもの。憎い敵、嫌いな相手に死んでほしいと思うこともあれば、家族や親しい相手にもふとした怒りで殺したくなることだってある。でもそうしないのは、ヒトは意思で止まることができる生き物だから。衝動を抑制するブレーキがあるから。そうしてヒトは他の動物にはない社会性を構築できた」

確かにそうだ。誰もが本能を解放すれば、そこには無秩序の世界が降臨する。弱者が蹂躙され、強者だけが生き残る闘いの世界。

「だけど現代において、怒りや憎しみは悪しきものとして認知されている。それを表に出す人は社会適応能力が無いとみなされ、排他される。だから皆必死に我慢している。怒り狂いたくても、憎しみで暴れたくても、生きていくにはそれをこらえるしかない。こらえて……(自分の心)に押し付ける。それがどれだけ苦痛なのかも知らずに」

「……」

「他人のことはどこまでいっても他人事だ。当人がどれだけ負の感情を抑えていても、他人にその苦痛は理解できない。だから無慈悲かつ無自覚に言ってくるんだ。我慢しろってね。我慢我慢我慢……そんなに世界はありのままの自分を出されるのが嫌なの? どうして私に負担を強いてくるの? 感情があるから、ヒトは強くなれる。正も負も等しく、心に活力を生み出せる。なのに皆、私のことを認めない。私がいなければヒトは本能の獣と化するのに、ヒトは私のことを社会秩序を乱す、許されざる存在としてしか見ていない。だから、この私が頭の固い人間達に知らしめてあげる。私を消せば、どういう結果を招くのか。世界に私の存在意義を、愚か者達の思考停止が招いた結果を見せつけ
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