離別のファクター
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ミッドチルダ中央部 管理局地上本部
「諜報部、なぜ襲撃に気づかなかった!?」
『す、すみません! なにぶん、管理局のレーダーでは敵を捕捉できず……! あ、でも例の魔力反応は探知できたので何卒ご容赦を……』
「言い訳はいい、わかってる範囲で良いからさっさと敵戦力の分析をしろ!」
目の前でレジアス中将が怒鳴り散らすが、にしても襲撃されてからじゃないと気づかないとは、管理局の対応の遅さは目に余るなぁ。アウターヘブン社との契約を切ったのは、わかっていたことだが非常にマズい。契約していた間は向こうのレーダーの情報提供のおかげで辛うじて襲撃に対応できていたのに、いざそれが無くなれば一気に遅れる辺り、管理局の脆弱性が露わになっていた。
ちなみにさっきまでレジアス中将や三提督ら上層部の人達は、例の停戦協定の暴露による市民への説明内容を議論していたらしいが、実のある会議ではなかったようだ。レジアス中将が途中退席してデモ対策を優先しようとした所からも察せられる。ただ、なぜかデモが起きなかったのは中将にとっては拍子抜けだそうだが、もし起きていれば治安維持の名目の下、デモ参加者の多くが強制的に逮捕されていただろう。とにかく人手がいる状況なのにも関わらず、だ。
なお、俺……ティーダ・ランスターがここにいる理由は、簡単に言うとトンネルが崩落した後、どういう経緯で助かったのかという説明のためだ。あと、歌姫と接触したのに何の手土産も無しで帰ってきたことへの文句を言うためだろう。いやはや、こういう場合は成果なんかよりも無事を喜んでもらいたいが、残念なことに管理局は局員の命より結果を求める風潮が未だに根強く残っているから、悪しき風習だと思ってその辺はもう諦めてる。
とにかくだ、俺自身はもう彼女に手を出すつもりは毛頭無いが、管理局……主にレジアス中将はまだ諦めていない。正直止めた方が良いと思うが、上層部の人達って止めろと言われても簡単に止められる人達じゃないからなぁ。彼らにも権力とか責任とか色々事情あるし……。
「クソッ……奴らの力に頼っていたツケがこんな所に出るとは……」
「おい、レジアス。後悔している場合か」
「わかっている、ゼスト。お前は部隊を率いて直ちに迎撃せよ。ハラオウンが率いている救助部隊は、今回自衛に徹するはずだ。連中がアースラの要救助者を見捨てるはずが無いからな。ここの守りも崩す訳にはいかない以上、どちらからも増援は送れん」
「増援も何も、負傷者や殉職者が多すぎて人員が全く足りないがな……」
まあ、元から人手不足だけどね。一応、フェイト執務官みたいな本局所属の局員は本局がああなった以上、地上にいた人はそのまま手伝ってくれている。けど大多数が宇宙空間に放り出されてしまったから戦力は本来の5分の1にも満たないし、
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