第12話 動き出す世界と陰謀
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「はい。どうやら中国は我々と接触する気のようです」
『なるほど……とうとう中国も本腰を入れ始めたか……それで話は変わるが中国国内で改造人間の素体候補は見つかったか?』
「いえ……その代わりに中国国内の反体制派のリストのコピーを入手しました。彼らなら自ら志願して改造人間になるはずです」
『分かった。後で使いの者を送る。その者にコピーしたリストを渡せ』
「了解しました」
話し相手が通話が切ったことで通話が終了し報告を終える。
蓋徳愁主席の補佐官であるこの男は既にこの世にいない。本物はGOD秘密警察が送り込んだワームに殺されたからだ。
今、補佐官として中国政府にいるのはそのワームが擬態している偽物である。彼は補佐官に擬態することで中国国内のありとあらゆる国家機密を閲覧し、必要とあらばショッカーに転送しているのだ。
補佐官に擬態しているワームことスコルピオワームは怪しまれないようにカクテルを注文し、飲み干すと会計を済ませて店を出る。
そして彼は北京の夜の闇に消えるのだった。
同刻 日本国 東京
女の名前は福井瑞穂。衆議院議員であると同時に某国が送り込んだ工作員である。現在の任務は日本とショッカーの友好に水を指すべく、国会で反ショッカー発言を連発することである。
「ショッカーは国民を強制的に改造するという非人道的行為を行っています!!これはホロコーストと並ぶ狂気の人権問題です!」
「狂気の独裁国家と国交を結ぶことはかつての軍国主義に戻ることですよ!」
「近隣諸国に反省が足りないと言われますよ!!ショッカーとの共闘を解消しなさい!!!」
福井はその夜、野党党首同士の会合を終えて帰宅しようと公道を黒塗りのベンツで走らせた。
車内で携帯をいじりながら福井はぶっきらぼうに運転手の悪口を言う。これは福井にとっていつものことであった。国会で思うように事が進まないと運転手に悪口を言い、八つ当たりをするのである。
「ホント、あんたって辛気臭いわね。あんたが運転してるってだけでこの高いベンツも軽トラ同然になるわ!」
「…………」
運転手が無言なのを見て面白くなかったのか、ダメ押しに車内の中で大声で叫ぶ。
「全く!無視だけはいっちょ前ね!運転技術もそれくらいならいいのになーー!!」
運転手は無視して車を走らせ続ける。だが内心では怒りまくっていた。しかし、ここで殴りかかっても全く意味がないので無視することしかできなかった。
やがて車は本来の帰宅ルートから外れ、人気のない建設中のトンネルの中に入って停車する。
福井は車が停車するまで携帯をいじっていた為、気付くのが遅かった。
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