第12話 動き出す世界と陰謀
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それにはこう書いてあった。
『ショッカーの日本使節団派遣後に中国やロシアがショッカーと独自に接触しようとする動きあり。中国は既に国連に対して工作を開始しており、ショッカーの技術を独占する為に動いているようです。
ショッカーとの交易による利益は莫大なものになることは明らかであり、中露に独占されない為にも我が合衆国も動き出すべきです。
CIA長官』とあった。
「ファッキンチャイナとファッキンロシアンめ!ショッカーが日本に急接近して技術の輸出が判明した途端にこれだ!」
ディレルは怒りの余り、血眼になり髪を逆立て報告書を引き破り、ぜぇぜぇと荒い息を吐く。
「……本当なら今頃、日本と共にショッカーに接触していたはずなんだ!!!」
そう言うとディレルは執務室の窓の外の群衆を睨みつける。
「異世界征服しようとするナチスもどきを倒せー!!」
「ショッカーは新たな悪の枢軸だ!!」
「ショッカーに民主主義の力を見せつけろ!!」
ホワイトハウスを取り囲むようにして学生がデモを行っている。彼らは中国が提携している大学に通っている学生だ。よく見ると白人の学生の中に混じってアジア人がいるのが分かる。おそらくは中国人だろう。
中国がアメリカに対してショッカーとの接触を妨害するような裏工作を仕掛けているのは明白だった。
「チャイナめ……姑息な真似をしおって」
デュレルの眉間がピクピクと痙攣する。
彼らのデモのせいでショッカーとの国交開設に国民の理解が得られずにいたのだ。国民の理解が得られないままショッカーと接触しようとすれば次の大統領選挙での再選は難しいだろう。
デュレルは独裁国家であるはずの中国がアメリカの民主主義を利用して自分を苦しめていることに腹が立って仕方がなかった。
「フフ……だが甘いなチャイナよ」
デュレルは1人、不適な笑みを浮かべる。普通の人間が見れば頭がおかしくなったと思うだろう。
しかし、あんな学生デモで怖じ気づくほどデュレルは弱くなかった。
「ワーキングプア予備軍のガキ共め、貴様らの思うよりもショッカーと接触したがる者は多いのだ………それも学生のお前らと違って影響力が桁違いだ!!!」
デュレルの言う『彼ら』とは……ゴーグルやヤマゾンなどのアメリカが誇る超巨大企業のことである。彼らはショッカー世界のことを知るや否や、進出すれば莫大な利益が見込めるとしてホワイトハウスに連日、ショッカーとの国交開設を求める請願の電話をしていた。
ショッカーと接触し、550億人もの市場を独占できれば中国との貿易赤字やラストベルトなどで落ち込んだアメリカ経済は回復する。
そうな
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