第12話 動き出す世界と陰謀
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下に聞いていない!目の前の騎士に聞いているのだ!!!さぁ答えろ!」
暗闇大使は高圧的な態度でボーゼスに質問した。
ボーゼスは千堂が異世界の敵であること。なにより協定のことを知らなかったことを告げた。
それを見た暗闇大使は軽く鼻で笑った。
ピニャとボーゼスは暗闇大使が納得してくれたものと思った。
しかしキッと暗闇大使はピニャ達を睨みつけて口を開いた。
暗闇大使はボーゼスの説明を聞いて内心、怒り狂っていた。連絡手段がないとはいえ、理由も聞かずに自軍の兵士を暴行するとはショッカーの存在を軽視していることにほかならない。ショッカーを軽視すること……即ち、その頂点である大首領様を侮辱することである。
そしてショッカー世界ではショッカー大首領は全知全能の御方であり、万物の王であり、神そのものである。
ボーゼスはそんな御方を侮辱し、ショッカーのメンツを潰したということになる。
はっきり言って『万死に値する行為』であった。
暗闇大使の拳が怒りでプルプルと震え、顔からは青筋が浮き上がる。
「余りふざけるなよ、連絡が行き届かなかった?そんなの理由になるか!!貴様らは我がショッカーと我らが偉大なる大首領様を愚弄しているのか!?」
「い……いえ、そんなことは……」
「この"事件"は講和交渉にも響くことを覚悟しろ!!何しろ我が軍の兵士に暴行を行い、ショッカーのメンツを潰したのだからな!!
そして帝国人を皆殺しにする御聖断をなされない大首領様の御慈悲に感謝しろ!!!」
ピニャは「たかだか平手打ちで大袈裟な…」と思ったが反論しなかった…いや、出来なかった。暗闇大使の背後から漆黒のオーラが溢れ出ていたからだ。その前では皇族といえどただ許しを乞うことができなかった。
ゾル大佐も暗闇大使と同意見だったが言いたいことは粗方、暗闇大使が言ってくれたので今後の対応について話すことにした。
「とにかく今後はよく考えて行動することだ。これからの行動次第で帝国、または帝国に代わる"新政府"が困ることになるからな」
ゾル大佐の放った『帝国に代わる新政府』という言葉にピニャは驚いていた。この言葉をピニャは講和交渉が思うように進まなければいつでも帝国を攻め滅ぼしてショッカーに従順な新政府を作ることができるというふうに受け取った。
こうして会談はショッカーからピニャらに講和に協力する"お願い" をして問題なく終わった。
オ・ンドゥルゴ基地の屋上で千堂は沈みゆく夕日を見ながら黄昏れていた。すると後ろからピニャ達と会談を終えたばかりのゾル大佐に声をかけられた。
「大変だったようだな……千堂」
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