第12話 動き出す世界と陰謀
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ぐさま言い返す。
「被害者面しないでください。帝国が先に我が世界に侵攻したのをお忘れなのですか?」
「ウッ!それはそうだが……」
「それともあれですか?自分達が攻める時は官軍、異世界で多くの人民を虐殺しても官軍、その報復に逆侵攻されれば被害者ですか?えらく都合がいい論理ですね」
千堂の皮肉にピニャとボーゼスは何も言えなくなる。
帝国は自ら悪魔を怒らせ、招き入れてしまったのだ。
「帝国はグリフォンの尾を踏んだ。それに帝国の敵はショッカーだけではない。アルヌスの丘の異世界の軍勢、ニホンコクジエイタイもいる。ショッカーは現在、彼らと共闘して帝国と戦っている」
レレイは現在の帝国の状況を冷静にピニャに伝える。
(最悪だ。異世界の敵同士が手を結び、帝国を攻め滅ぼそうとしているとは…)
実際には自衛隊は特殊な政治事情があるので対帝国戦に消極的なのだがそんなことをピニャは知らない。
ピニャはレレイを見る。さっきの言葉からレレイは帝国に対して愛国心のようなものを一切、抱いていないことは簡単に想像がついた。それに対して千堂らショッカーはレレイやエルフだけでなく亜神であるロウリィまで味方につけている。つまり軍事面だけでなく人心掌握の観点でも負けているのだ。
(帝国は国を支配すれども人心は支配できず……か)
基地に着くとピニャとボーゼスは戦闘員に案内され、基地内の応接室に連れてこられた。
応接室の中でピニャ達がしばらく待っているとドアが開かれてゾル大佐が入室する。それに続くように古代エジプトのツタンカーメンのような被り物をした男が入ってくる。
「待たせたな、ピニャ殿下」
(この地味な黒服の男がショッカーの軍を率いる長か?)
ピニャはゾル大佐を見てそう思った。
「報告は聞いている。"我々"を煩わせるようなら協定や帝国の扱いを見直さなければならない…そうは思わんか?」
(見直す!?協定が守られねば帝国内にさらに侵攻するというのか!?)
「今回の一件で帝国に対する見方はますます厳しいものになった。そのことを覚悟していもらいたい」
隣に座っていたツタンカーメン風の男……暗闇大使がようやく口を開いた。
「千堂から聞いたぞ。そちらのご婦人にひどくあしらわれたそうだな…」
ピニャとボーゼスは冷や汗をかき始める。
「その事について聞きたいことがいくつかあるのだが……奴が暴行を誘発するような言動をしたのか?なぜ奴に暴行したのだ?どういう状況で暴行に及んだのだ?」
「それは……」
ピニャが説明しようとすると―。
「殿
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