第12話 動き出す世界と陰謀
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「お前達はなんてことしてくれたんだ!!」
ピニャは捕縛された騎士団を見るなり全員の頬に平手打ちをした。
「我々は協定で往来の自由を認めていたのだぞ!!それを知らないとはいえお前達はー!!!!」
ピニャがボーゼスらを叱りつける中、千堂は冷静に言い放つ。
「今回の行為は明らかな協定違反です」
「それは分かっているが……彼女らは協定のことを知らなかったのだ……。だから許してやってはくれないだろうか?」
ピニャが千堂に懇願する………が
「ふざけてるな!!」
「死人が出てたかもしれないんだぞ!」
千堂の部下の隊員達が口々に言う。
「ピニャ殿下……私個人としては部下に被害が無かったのでよかったのですが……一介の軍人としては今回の協定違反は到底、見過ごすことができません。それにこの事は既に基地に報告済みです。帝国にはこれ以上無いほど厳しい目が向けられることでしょう。潔い態度をとった方が帝国の為ですよ」
ピニャは落胆した。事案発生から数時間しか経っていないのに既に基地に報告がいっていることに落胆する。それもそのはず、この世界ではありえないぐらいの連絡伝達速度だからだ。
「この始末、どうしてくれよう……」
(協定破りを口実に居丈高な外交を行うのは帝国の常套手段。ショッカーが同じことをしないとは限らない)
そんな中、フォルマル家のメイド長が千堂の前に出てきた。
「センドウ様、盗賊からイタリカを救ってくださりありがとうございました。改めてお礼を言わせてもらいます。この恩を当家は決して忘れません。
そして今回の協定違反でイタリカや帝国を滅ぼすというのなら我々も力を貸す所存です。ただ当家のミュイ様には矛先を向けぬよう伏してお願いします」
メイド長が千堂の前に頭を下げて懇願した。
(そうか……フォルマル家にとって帝国なんて関係ない。この人達の忠誠心はミュイ様にあるのか……)
千堂は感心した。そしてメイド長にやさしく言う。
「頭を上げてください。今回の協定違反にフォルマル伯爵家の皆様は関与していませんのでイタリカやフォルマル家に報復攻撃を行うようなことはしないはずです。
"フォルマル家"や"イタリカ"にはね………」
そう言うと横目でピニャとボーゼスの方を見た。千堂と目が合うとピニャ達は顔を反らした。
「では、犯人を引き渡したので我々は基地に帰ります。後のことは追って連絡します」
千堂らが帰ろうとするとピニャが引き止めた。少しでも時間を稼ごうと思ったのだ。基地に知られてしまっている以上、無駄だと分かってはいるが何もしないよりはマシであった。
「そうだっ!和解の
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