第28話『命を救う為に!虚影の幻姫の戦略〜そして挑戦へ!』
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崩した。
「おらあ!!」
がら空きになった凱の横腹。そこへ力任せの蹴りを叩き込まれる。
「ごふ―――!」
平均成人を上回る凱の肉体が、全長2メートルを超える魔物の一撃に吹き飛ばされる。
ヴォジャノーイ。その恐ろしさは、単に魔物だから強い、というだけではない。
何世代にわたる戦姫との死闘。それこそ、並みの魔物では太刀打ちできない相手をこのヴォジャノーイは生き延びてきたのだ。
前回では敗戦に終わったが、今回は戦勝を飾れそうだ。まさにそれは、いくら金貨をつぎ込もうとも決して得ることのできない高揚感だった。
「ずいぶんと観客が増えてきたみたいだね。これ以上騒ぎが大きくなる前におわらせるとしようか」
次々と魔剣の太刀を繰り出すヴォジャノーイ。凱はかろうじてアリファールの鞘で応戦する。
「どうして……」
遅れて参じたセシリーが、劣勢に立たされている凱を前に憤慨する。
「どうしてガイは剣を抜かない!?」
「ガイの持つ剣――アリファールは折れているのです。本来であれば……とても戦える状態ではありません」
「――――――なんだって?」
両者の戦いを見て、さらにヴァレンティナの言葉を聞いてセシリーは愕然とした。
きっと、いつものように凱が敵を倒し、全てを解決してくれるとわずかに期待したが、それももはや絶望的だとわかった。
同時に、自分自身への怒りが瞬時に込み上げてきた。
(すぐに気づけたはずだ。どうしてガイがここへ来たのか)
それは、折れた剣、アリファールとかいう剣を直すため、わざわざ自分のところへ来てくれたことを。
勇者の振るう聖剣は、決して並みの鍛冶屋では打ち直すこと能わぬ崇高の刃。
心底ではきっと、藁にもすがるような想いでここ工房の戸を叩いてきたはずだ。
だが、再開した両者の立場は違う。互いが、互いを大切に想うがゆえに引き起こした「すれ違い」が、今回の発端ではないのだろうか?
既に新たな命と生活を手に入れたセシリー達を見て、凱は巻き込みたくないと思ったのだろうか。
それなのに――凱との再会で頭が歓喜でいっぱいになって……
セシリーの苦悶が色濃く映る。
また、『あの時』と同じように、ガイを一人に追い込んでしまうのか?
――目の前に映る者すべてを救う――
騎士になりたてのセシリーは、その誓いを口癖とし、同僚の男どもからは無様に笑われた。
だけど、ガイだけは違った。そして言ってくれた。
――君の誓いは俺が護る!護らせてくれ!――と
このままでいいのか、セシリー。神剣の騎士。
いや――
いいはずがない!
(セシリー……あなたは……)
そんなセシリーの様子を背中越しで感じつつ、ヴァレンティナは
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