第28話『命を救う為に!虚影の幻姫の戦略〜そして挑戦へ!』
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に、凱の表情は驚愕に満ちた表情になる。
――ティナ!?ティッタ!?フィーネ!それにリサとルーク!?――
アルサスとハウスマン。出会う場所と時間軸が違えど、凱にとっては懐かしき面々。
なぜ彼女たちがここに?だが、今は目の前の魔物に集中せねば。
(ともかく、リムが言っていた鎖はあれのことだったのか)
リムから聞いた話は、現役の戦姫であるヴァレンティナの言を受けて革新へと変わる。
(なるほど――ヴォジャノーイも考えたな。いや、正確にはテナルディエ公爵かガヌロン公爵のどちらかが、魔物に装備を与えたのか?)
確かに、魔剣の力を損なわず、竜具の力を封じ、自身の魔物変化を可能にするには、直接あの【鎖】を巻きつけるのが一番。あらゆる面で強化を促す、鎖帷子は厄介だ。
さらに魔物ヴォジャノーイは、口の中から剣をもう一本取り出す。まるで道化師が行うマジックショーのように。
「さらに、これがボクの魔剣――雷の魔剣シャムシール!」
勇者を絶望へ追いこむと言わんばかりに、超常の力を有する魔剣を『さらに』披露する。
竜具ほどではないが、魔剣も使用者に対してそれなりの負荷をかける。
故に、高い魔剣保有率を誇る独立交易自由都市でさえ、魔剣装備は一本に限られる。
もし、二本同時に扱えるものがあるとしたら、シーグフリードのような悪魔の血を引く者か、純粋な魔物か、ガヌロンのような半身半魔に限られる。
氷と雷――二振りの魔剣の柄を重ね合わせ、一刀のものにする。そこから延びる二本の刃――まるでトカゲの尾のようにして魔物は勇者に襲い掛かった。
双条尾光刃!!
「――――ぐっ!!」
苦痛に歪む勇者の声で、ヴォジャノーイは手応えを得る。
見切りをそらせる歪な刃。同時に凱を幻惑するオーロライリュージョン。かの幻竜神を彷彿させる魔物の技術。さらに、いまだ赤子を人質にとらわれている現実。加えてヴォジャノーイ固有の剣術が、ついに凱の身体をかすめ始める。
「どうだい?いくら銃でも完全武装のボクには太刀打ちできないだろ?」
三度開始される魔物の猛攻。すべての攻撃が確実に凱の動きを少しずつふうじていくような軌道を描き繰り出される。
(このままでは……ならば!)
氷の魔剣の刺突。雷の魔剣の袈裟斬り。次に来るのは魔物の肉体の一部である舌での刺突。ある程度のパターンを解析できた凱の予測は、確かにあっていた。不用意に伸ばした舌をそのままアリファールに絡ませて交錯殴打を叩き込もうとした。
しかし――
「―――――!」
だが、それもヴォジャノーイの予測の範囲内。勇者側ではなく魔物側から舌をアリファールに絡ませる形で、そのまま捻り上げて凱の体制を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ