第百五十二話 ロードス島の攻防その四
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「そうするか」
「それじゃあな」
こう言ってだ、そしてだった。
久志はまずは地下道に毒や炎の霧を放った、そうしてだった。
密閉されたその中を攻撃させた、その後でだった。久志は軍を突入させたが騎士団の者達の戦意は高く。
戦が続いた、久志自身その中に入って戦いつつ言った。
「硫黄島ってこんなのだったんだな」
「あの島の戦いはだね」
「こんなのだったんだな」
「そうだろうね」
こう言うのだった。
「だからアメリカ軍も大変だったんだよ」
「とんでもない損害出したな」
「日本軍は玉砕したけれど」
「アメリカ軍も苦戦してな」
このことは戦史に名高い。
「日本軍以上の損害出したな」
「そうなったよ」
「本当に大変だったんだな」
「そうだよ、それでおいら達も」
「今はか」
「苦労のしどころだよ」
「俺苦労は嫌いなんだけれどな」
久志は淳二にぼやく声で応えた。
「国家のそれは」
「自分はいいんだ」
「出来る限りしたくないけれどな」
それでもというのだ。
「まだな」
「自分のは」
「若い時の苦労はっていうだろ」
「お金を出してでも買えってね」
「それが自分の経験になるからな」
「まあ酷い経験で心がゆがむ場合もあるけれどね」
苦労もそれぞれだ、中にはそのせいで人格が歪んでしまうというケースも残念ながら存在しているのだ。
「それでも大抵はね」
「苦労は経験になるな」
「個人へのね、けれどなんだ」
「それは俺のことでな」
「帝国としては」
「そこからいらん損害出すからな」
久志はまずはこう言った。
「それでな」
「戦後処理も大変だから」
「したくないんだよ」
国家としての苦労はというのだ。
「確かにそれが国家としての教訓にもなるけれどな」
「日本然りね」
「それでもな」
「出来る限りだね」
「こうした苦労はしたくないな」
多くの損害を出して戦後処理も厄介になりそうなそれはというのだ。
「本当にな」
「それは誰もが同じ意見だけれど」
それでもとだ、今度は清音が言ってきた。
「いつも楽に進むとはね」
「限らないからな」
「むしろこれまでね」
「楽にいき過ぎたか」
「政には苦労してきたけれど」
「ああ、内政で思った以上の成果が出なくてな」
そしてというのだ。
「あと降る様に使者を送っても」
「中々降らない勢力もあって」
「苦労してきたけれどな」
「戦ではね」
「これといってな」76
こちらではというのだ。
「なかったな」
「軍勢同士だとね」
「それでもか」
「やっぱりね」
「苦労する時があってか」
「それがね」
まさにとだ、清音は話した。
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