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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第30話:三つ巴の争奪戦・その2
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、っはぁぁっ?!」
弦十郎の一撃を諸に喰らい、再び機内の壁に叩き付けられるヒュドラ。今度の一撃は弦十郎もかなりの力を入れていたのか、衝撃でヘリが大きく軋んだ。
「ちょちょちょっ!? 司令、手加減してくださいッ!? あんまり本気出されたらヘリが持ちませんッ!!」
「安心しろ。ちゃんと加減はしている」
裕司からの抗議を軽く流しながら、弦十郎は壁に凭れ掛かるヒュドラを見据えていた。
対するヒュドラは、曲がりなりにも幹部として名を連ねる自分がたった1人の生身の男に圧倒されている現実に戦慄していた。
「お前、本当に人間か?」
「何を当たり前のことを。さぁ、大人しくお縄についてもらおうか!」
あわよくばここで敵対組織の幹部の1人を拘束しようと目論む弦十郎だったが、そうは問屋が卸さない。この程度の状況を打開する手段は、彼らジェネシスの魔法使いにはいくらでもあるのだ。
「付き合ってられるか――!!」
〈イエス! ファイアー! アンダスタンドゥ?〉
「むっ!? いかんっ!!」
一瞬の隙を見て右手の指輪を交換し、ヒュドラは魔法を発動させた。彼の右手に灼熱の炎が集束されていくのを見た弦十郎は、即座にそれを危険と判断。止めるか逃げるかで迷ったがもう止めようがない事を直感的に悟ると裕司を座席毎引き剥がしてそのままヘリから飛び降りた。
「へ、ちょ、うわぁぁぁぁぁっ!?」
「口を閉じてろッ!!」
弦十郎は悲鳴を上げる裕司を宥めながら、空中で体勢を整えつつ自分達が先程まで乗っていたヘリを振り返った。彼が視線の先に見たのは、コンマ数秒の差でヒュドラから放たれた灼熱の業火により運転席が吹き飛ばされたヘリが爆発する様子であった。
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