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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第30話:三つ巴の争奪戦・その2
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ら引き離そうとしていたのだ。
「ここを離れるわよ、響ちゃん」
「りょ、了子さん!?」
「ここに居たら颯人君が全力で戦えないわ。ね?」
「は、はい! あの、颯人さん、気を付けてください!」
「おぅ、任せな!」
メデューサと対峙する颯人に一声かけ、了子と共にその場を離れる響。それと入れ替わるように奏が彼の隣に並び立つ。
「幹部相手は1人じゃきついんじゃないかい? 手を貸すよ、颯人」
「あれ? 他のメイジは?」
奏が加勢してきた事に、内心で嬉しく思う反面他のメイジはどうしたのかと疑問を抱く。問い掛けながら彼が周囲を見渡していると、奏がアームドギアで肩を叩きながら答えた。
「他の連中はノイズとクリスってのの相手で忙しいらしくてね。こっちには目もくれなかったよ」
なるほど、言われてみればノイズもクリスも一向にこちらに来る気配がない。それは周囲に散らばったメイジ達が派手に暴れて引き付けてくれているからだった。皮肉なことに颯人達二課を圧倒しようと数を揃えたことが、結果的に彼らを手助けする事となったのだ。
思わぬ事態に、メデューサが周囲のメイジ達を見渡しながら苛立った声を上げた。
「えぇい、役立たず共めッ!?」
機嫌を悪くするメデューサに、颯人は僅かながら状況を楽観視し始めた。敵となる二つの勢力が勝手に潰し合い、消耗しあっている。
となれば、あとは目の前にいるメデューサと何処かに居るクリスを何とかしてしまえば勝機はあった。
そう思った矢先、突如上空で何かが爆発する音が響いた。何事かと全員が上を見上げると、そこでは今正に爆発したと思しき弦十郎が乗り込んでいたヘリの残骸が降り注いでいるところだった。
***
時間は数分ほど遡り、上空を飛ぶヘリの内部では弦十郎とヒュドラの激しい戦いが繰り広げられていた。
「オラァッ!!」
狭い機内であろうと、容赦なく全力で剣を振り回すヒュドラ。対する弦十郎は素手で相対している。受ければ大怪我か致命傷、避ければヘリに致命的な被害が出る可能性があると、普通に考えればこの時点で弦十郎に勝ち目はない。絶体絶命だ。
だがヒュドラは、彼らは知らなかった。弦十郎と言う男の規格外さを。シンフォギア装者とウィザードにばかり警戒を向けて、ノイズとも戦えず魔法も使えない弦十郎を脅威にはならないと高を括っていたのだ。
そのツケはこれ以上ないほどのしっぺ返しとなってヒュドラに返ってきた。
「ヌンッ!!」
「なぁっ!?」
魔法使いに変身し、強化された腕力で振るわれた剣による一撃。それを弦十郎は、あろうことか片手で受け止めてしまったのだ。
そう、片手で、である。あまりにも常識外れなその光景に、ヒュドラは一瞬思
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