暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第30話:三つ巴の争奪戦・その2
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
されていた。

 その間に響の下に駆け付けた颯人は、彼女が相手をしていたメイジを即行で片付けた。

「邪魔だお前ッ!?」
〈スラッシュストライク! ヒーヒーヒー!〉
「ぐあぁぁぁぁっ?!」
「ッ!? 颯人さんッ!?」
「よぉ、響ちゃん。大丈夫だったかい?」

 メイジに必殺の一撃を叩き込み戦闘不能に追いやる颯人。先程までとは違い大技の一撃を喰らったメイジは、変身を維持できなくなったのか倒れた状態で元の姿に戻ってしまっていた。その事を心配する響だったが、颯人はそれに構わず彼女に語り掛けた。

「響ちゃん、戦い辛いなら無理せずそのケースと了子さん連れてこの場を離れてな」
「それは……でもッ!?」

 颯人の言葉が、響には言外に戦力外通告しているような気がして思わず反発した。それを予想していた颯人は優しく、だが厳しく彼女を諭した。

「言いたいことは分かる。だがな、響ちゃん? ここは敢えて厳しく言わせてもらう。今の君は足手纏いだ」
「ッ!?!?」

 言外どころかドストレートに戦力外通告をされて、響の表情が固まる。自分が役立たずだと言われて、響の心が悲鳴を上げたのだ。
 それに気付いている颯人は内心で顔を顰めつつ、響に伝えるべきことを伝えた。

「俺が今めちゃんこ厳しい事を言ってることは俺自身が理解してる。だが聞いてほしい。今この場においては、君は下がるべきだ。だがそれは響ちゃんが役立たずだって言ってる訳じゃない」
「でも、足手纏い……」
「出来もしないことを無理矢理やろうとするのはそりゃ足手纏いだろうさ。いいかい響ちゃん? 俺は別に君を役立たずだと言ってる訳じゃない。ただ誰にだって出来る事と出来ないことがあるって言いたいだけだ」

 適材適所と言う言葉がある。どんな人、どんな物にもそれに見合った活躍の場と言うものがあるのだ。響は確かにシンフォギアを扱え、ノイズとも戦える力を持っている。だがそれは、このような場において発揮されるような力ではない。特に彼女の気質を考えれば尚更だ。
 響は守る戦いでこそ力を発揮できるが、最悪なことに彼女にとって無理矢理戦わされているメイジ達もまた守るべき…………否、助けるべき人であった。だからこそ、彼女はメイジ相手に全力を出す事が出来ないのだ。

 しかし彼女のそんな思いは洗脳されているメイジ達には関係ない。いや寧ろ、そうして出来た隙を連中は容赦無く突いてくる。響の心身の安全を考えたら、そして任務の事を考えたら響にはケースと了子を守ってもらう方が適任だった。

「俺はあいつらと戦える。だがケースと了子さんまでは手が回る自信がない。メデューサを相手にしなきゃならないからな。だから、俺に出来ないことを響ちゃんがやってくれ」

 颯人の説明に、響も一応の理解は示してくれたの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ