暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第14節「秋桜祭」
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……思ってたんだけどな……)

響の脳裏に先日の装者達と、新生したフィーネを名乗ったマリアの姿がちらつく。

正義では守れないものを守る。そう宣言した調と切歌。
分かり合えたと思っていたのに、敵対するフィーネ。

響の中で、迷いが渦を巻いていた。

「自販機のお茶にでもしておくべきだろうか……。響はどっちがいい?」
「え? あ、ああ、うんッ! お茶にしよう、お茶ッ! わたしお茶大好き〜なんちゃって」
「……響、さてはあの装者達の事で悩んでるな?」
「ッ!?」

心の中を見透かされた気がして、響は肩を跳ね上げた。

「わかるさ。響はすぐに顔に出るからな」
「翔くん……。師匠にはああ言ったけど、わたし……」
「どうすればいいか分からない……そうだな?」
「うん……。何が正しくて、わたしに何ができるのか……分からないよ……」

俯く響。翔は響の頭にそっと手を置くと、優しく撫でた。

「俺だって分からない。あいつらが何を背負っているのか、フィーネが何を考えているのか。姉さんのライブを滅茶苦茶にした事は事実だけど、なんであんな真似したのか……俺はまだ、あいつらから聞けていないからな」
「翔くん……」
「けどな。フレーズも浮かんでないのに弦を弾いても、綺麗な曲にはならないんだ。だから悩むのは、一旦後回しにして……今は一緒に楽しもう。悩みながら食べるたこ焼きが、美味しいと思うか?」
「ううん、きっと美味しさも半分になっちゃう」
「だろ?」

翔の一言に、響は顔を上げる。
思っていた通りの答えに、翔は満足げに笑った。

「よし! そうと決まれば、まずは飯だ。おばあちゃんが言っていた……“食べるという字は”――」
「“人が良くなると書く”……だったよね?」
「正解! ほら、並ぶぞ! 折角だ、隣の店の焼きそばとアメリカンドッグも買って行こう!」
「だったらわたし、クレープとフルーツ飴とベビーカステラも食べたい!」
「おいおい、時間までに全部食い切れるのか!?」
「えへへ〜、へいき、へっちゃらだよッ!」

翔は響の手を引いて、たこ焼き屋へと並ぶ。

(やっぱり翔くんは、わたしのヒーローだなぁ……)

翔の横顔を見つめながら、響は心の中でそう呟くのだった。

ff

一方その頃、未来と恭一郎もまた、校内を歩き回っていた。
しかし、こちらは他の二組とは違い、あまりいい雰囲気だとは言えない様子である。

「C組のピ○ゴラ装置、すごくクオリティー高かったね〜」
「うん……」
「まさか、あれを作る為だけに半年分も○ックのバリューセットを買い続けるなんて、よく思いついたよね。しかも教室を丸々使って作るなんて……」
「うん……」
「……小日向さん?」
「うん……」

先程から、心こ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ