第14節「秋桜祭」
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るくらいには、何度も絶叫した。
そして今に至るのである。
「クリスちゃん」
「うう……なんだよぉ……」
純は廊下の端に寄り、足を止める。
クリスが顔を上げると、純は彼女を抱き寄せた。
「もう怖くないよ。僕が居るから……ね?」
「……ん」
純の腕に抱かれながら、クリスは彼の背中に腕を回した。
ついでに彼の背中に腕を回して、思いっきり抱き着く。
普段は意地を張って強がっているが、実は結構子供っぽい性格をしている事を、純はよく知っている。
もう暫く、こうしてあげれば落ち着くだろう。
純は自分達の方を見て足を止める他の生徒達の方を見ると、人差し指を口元に当て、首を傾けながら微笑んだ。
その仕草だけで、野次馬があっという間に避けて通るようになった。
チラ見してくる生徒も何人かいたが、校内での二人のラブラブっぷりを知っている者達には最早見慣れた光景。
しかもアイオニアン校内ナンバーワンのイケメン男子が「邪魔しないでね」とアピールしているのだ。避けない理由があるわけないのだ。
(もう暫くしたら、翔達に合流しようかな……)
この後は、弓美達3人のステージもある。
恭一郎達も出るらしいので、遅れるわけにはいかない。
抱き着くクリスの頭を撫でながら、純はこの後の予定を組み立てていくのだった。
ff
同じ頃、翔と響もまた、二人っきりで出店を回っていた。
最初は午前中は未来と、午後から翔と回る予定だったのだが、未来に「わたしの事は気にしないで」と送り出された響は今、こうして翔との学祭デートを楽しんでいるのだ。
折り紙教室で翔が手先の器用さを発揮したり、お化け屋敷では響が怖さ……ではなくビックリした勢いのままに翔に飛びついたり。
中でも、ウエイターではなく来店した客にコスプレさせる「逆コス喫茶」では、メイド響が翔のハートをズキュンと射止めたり、執事姿の翔が響をドキドキさせたりと、互いにコスプレの良さを知ることとなった。
そして今、そろそろ腹の虫も鳴き始める頃。二人は出店の並ぶ校庭へと降りて来ていた。
「さっきのクラスの、すごく凝ってたな。響、次はどこにがいい?」
「ん〜、わたしとしては、そろそろお腹を満たしたいかな〜と」
「それなら、あそこのたこ焼き屋台はどうだ? 表面がカリッとして、すごく美味しいと評判らしいぞ」
「それは中々……そそられるね」
「響、涎が出ているぞ」
「あっ! ごめん、つい……」
響にポケットティッシュを渡しながら、翔はクスッと笑った。
「飲み物も欲しい所だな。確か、すぐ近くに絞りたてのフルーツジュースがあったと思うんだが……果たしてたこ焼きには合わないだろうか……?」
「合わない……」
(分かり合えたと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ