男の責任
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<海賊のアジト>
昨晩の食べ残しを朝食代わりに食するリュカ…
その横には、互いの顔を見る事が出来ず、頭痛と自己嫌悪で俯く二人の勇者。
その隣には、リュカの動きにビクつくウルフと、妙にイチャついてくるマリーが…
そして其処にビアンカとハツキが現れる。
二日酔いによる頭痛と吐き気と互いの気まずさを纏いながら…
「……ねぇリュカ…私達…何があったの?」
自分とハツキを指差しながら、恐る恐るリュカに尋ねるビアンカ。
「いやぁ…僕の口からは言えないなぁ…こんな大勢の前では…」
目覚めると裸で抱き合って寝ていたビアンカとハツキ…
これ以上ないくらいの最悪なシチュエーションに、今にも吐きそうな二人…
誰も何も喋らない…リュカとマリーだけが楽しそうに鼻歌交じりで食事をするだけ…
他者の表情に気付く事もない…最早自分の事で手一杯の様だ!
リュカも我が子の事を話題に出さない…気の利くパパのつもりの様だ。
そしてこのアジトの主が、大柄な男を伴い姿を現す。
「おぅ、おはようさん!……何だぁ、随分と暗いじゃないか!」
するとリュカ以外の全員が、頭を押さえて文句を言う。
「声が大きい…」
「何だぁ…二日酔いかぁ!情けないねぇ〜…」
やれやれと言った表情で、アルルの正面にカンダタと共に座るモニカ。
「アルル…昨日の話だけど………協力するには条件がある!」
急に真面目な表情で話し始めるモニカ…
「条件…ですか…?」
慌てて座り直し真面目に問いかけるアルル。
「あぁ…と言ってもアンタにじゃない!カンダタに対してだ…」
そう言うと隣に座るカンダタに視線を移すモニカ…
皆の視線がカンダタへ集中する。
「この冒険が終わり、世界が平和になったら…ア、アタイと…け、け、結婚してほしい!!」
モニカが耳まで真っ赤に染め上げ、恥ずかしそうにカンダタにプロポーズをする!
そして不安気にカンダタを見つめるモニカ…普段男勝りでも、こう言う時は可愛らしく見える。
しかし中々返答しないカンダタ…
「ダ…ダメ…?やっぱりアタイじゃ…」
「そ、そうじゃねぇ…そう言うんじゃねぇーんだ!」
カンダタはモニカに向き直り、正面から瞳を見つめると本心を語り出す。
「俺は以前…ロマリアから逃げ出した時に、悪党から足を洗うと心に決めた…そんな時にお前から海賊に誘われ、答える事が出来なかった!かと言って『海賊を辞めて俺に付いて来い』とも言えない…お前には、お前を慕う手下が大勢居る…そいつ等まで路頭に迷わすわけにはいかない!………だからあの時は黙って姿を消したんだ………だが、お前の気持ちはよく分かった!だから俺からも条件を出す!」
「じょ、条件…?」
「あぁ…俺と結婚するのなら、海賊から足を洗う事だ!」
「海賊を…辞める…」
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