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夢幻水滸伝
第百三十二話 北西へその七

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「この度は」
「そうするしかないな」
「とかく日本は星のモンが多い」
 曹も言ってきた。
「それが向こうの強みやな」
「そしてその強みを使わせない」
「それが戦ってことやな」
「そうです、ですから」
 巴は曹にも冷静な声で話した。
「この度は」
「軍勢同士の戦にもってくか」
「そうなればこちらの強みが使えます」
「軍勢の数やな」
「日本は六十万、精兵揃いですが」
 その強さは太平洋と地下世界でも随一とされている、日本の兵達はまさに侍そのものだとさえ謳われている。
「十倍以上、六百四十万の兵に勝てるか」
「そういうことやな」
「例え神星の方が三人おられても」
 それでもというのだ。
「この圧倒的な数の戦に持ち込めば」
「勝てるな」
「間違いなく、ですか」
「決まりや」
「そやな」
 羅と施は巴の話をここまで聞いて頷いた、そのうえで二人で言った。
「ここはな」
「巴の考え通りにいこか」
「そしてそのうえでな」
「勝とうな」
「派手に勝ってな」
 魯は腕を組み明るい顔で話した。
「そしてやな」
「ああ、日本の次はアメリカになるな」
 羅は魯に応えて彼と話した。
「あそこと決戦や」
「それでアメリカに勝ったらな」
「まだ地下世界や中南米とアフリカの連合がおるが」
「アメリカは何とっても第一の勢力や」
「この世界でもな」
「そのアメリカに勝ったら」
 そうなればとだ、魯は確かな声で話した。
「覇権に大きく近付くな」
「そやからな」
「アメリカとの戦もか」
「見据えてくで、日本に確実に勝って」
「くれぐれも侮らんことやね」
 こう言ったのは郭だった。
「敵は」
「侮ったら負ける」 
 施が魯に応えた。
「その時点でな」
「その通りやね」
「そやからな」
「侮らず戦う」
「日本は数は確かに少ないけどな」
 軍勢のそれはというのだ。
「しかし精兵揃いで星のモンは多く」
「強いね」
「そや」
 まさにとだ、施は郭に答えた。
「そのことは間違いない」
「そやから本気で向かうね」
「侮らず全力でな」
「若し誰かが侮ったら」
 その時点でとだ、羅は中国の星の者達全員に話した。
「その時はな」
「負けるのはこっちだね」
「そうなる、そもそも歴史を見たらな」
「大軍が敗れることも多いね」
「漢の高祖見るんや」
 羅が例えに出したのは中国の歴史上でもとりわけ有名な人物の一人だった、皇帝になるまでは実に器の大きな人物だった。
「項羽に戦い挑んで最初快進撃でな」
「一気に兵も増えてね」
 郭もその話に乗って話した。
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