第十六章
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「甘いものも大好きでな」
「それで、ですか」
「そうだ、ケーキも大好きだ」
「ザッハトルテもケーキですし」
「生クリームをたっぷり乗せてだ」
氷室はクールな口調のままさらに話した。
「苺を置いて俺の顔を真ん中に置いたな」
「えっ、それはまさか」
「特製のデコレーションケーキだ」
「氷室さん本格的なんですね」
「俺の顔は欠かせない」
「あの、甘党なのはいいとして」
それでもとだ、ここでウールは彼にどうかという顔で突っ込みを入れた。
「お顔を入れることは」
「しかもご本人のお顔は」
オーラも突っ込みを入れた。
「センスが」
「そうだよね」
「どうも」
「センスがないというのか」
氷室は二人の言葉に眉をぴくりとさせて応えた。
「俺が」
「はい、かなり」
「実は常磐先輩もだけれど」
「あと何気に明光院先輩も」
「センスは、だけれど」
「氷室さんも」
「どうも」
こう言うのだった。
「これはね」
「かなり酷いかも」
「こいつのセンスは最悪だからな」
万丈がここで二人に話した。
「私服なんか本当に酷いからな」
「そんなになんだ」
「やっぱり」
「洒落になってない位悪いんだよ」
服のセンス、それがというのだ。
「それで食いものも舌は確かでもな」
「盛り付けとかのセンスがなくて」
「ご自身のお顔のデコレーションとか」
「そんなセンスだからな」
だからだというのだ。
「こいつのセンスはもう無視しろ」
「そうなんですね」
「この人は」
「ああ、けれど俺も甘いものは好きだからな」
万丈は自分の話もした。
「楽しみにしてるな」
「そうですね、甘いものを飲んで食べて」
そしてとだ、内海も話に入ってきた。
「色々とお話していきましょう」
「うん、こっちこそね」
常磐は内海に笑顔で応えた。
「宜しくね」
「それでは、しかし」
内海は常磐に応えつつ彼に言葉を返した、その言葉はというと。
「貴方のことは特にです」
「聴きたいんだ」
「王になりたいと言われていますね」
「うん、高校を卒業したし」
それでとだ、常磐は内海に笑顔で応えた。
「このお店で働きながらね」
「王様を目指しますか」
「そうするよ」
「皇帝ではないですか」
「皇帝はね」
特にとだ、常磐は内海のその問いには彼自身にどうかという顔で応えた。
「俺は王様と同じじゃないかって思って」
「それで、ですか」
「考えてないし皇帝だと」
この立場はというのだ。
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